是政キングの称号は誰の手に! 多摩川ボートのG1開設64周年記念「ウェイキーカップ」が、明日31日に開幕する。遠征陣では大会連覇を狙う三井所尊春(39=佐賀)と、ボート界のスーパースター峰竜太(33=佐賀)の佐賀コンビに注目。対する東京勢は長田頼宗(33=東京)が地元エースとして登場。スタート巧者の山田哲也(35=東京)にも期待が集まる。今回は丸亀メモリアルで、SG初出場した大池佑来(31=東京)にロングインタビューした。

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-デビュー11年目で初めてSGに出場しました

大池佑来 10年って考えると、結構あっという間でしたね。SGにはもう少し早く出場したかったですけど、実力がまだそこまでではないのかなと思います。自力(クラシックやダービーなど)で最初は行きたかったという気持ちはありますけど、(江戸川推薦で)選んでもらえて良かったです。本当はSGに初めて出場する前に、記念の優勝戦に乗りたくて、それを目標にやっていたけど、なかなか難しいですね。

-実際にSGに走ってみて得たものはありますか

大池 水神祭で経験値は上がったと思う。気持ちに余裕が出来ました。あの1勝ですっきりした。自分のレースができればチャンスはある。大丈夫だなというのが確認できた。1勝するまでと、した後ではモチベーションが違う。あれは大きかった。SGは特別なレースだと思います。また来たいですね。

-今年を振り返ってください

大池 最初に江戸川で優勝して、GWの多摩川でも優勝したのは大きかったです。ただ、そこから少し足踏みしてます。ペラ調整を含めて、合ってないのかなと思います。夏場はエンジンなりの成績しか収められていなくて、悪いエンジンでもいい状態に持っていけてないのが気になります。記念でも活躍ができていないですから。

-記念でのレースは実力差を感じますか

大池 自分の実力が分かってきたのは大きいです。まだ、足りない部分が見えて来ました。同じA1級でも、SG常連組とはテクニックでだいぶ差がありますね。ターンはもちろんだし、エンジン出し、スタートと全部ですね。みんな体重もしっかり51キロにして来るし、一般戦とはひと味違うなと感じています。

-大池選手は気持ちがあまり表情に出ないように見えます

大池 それはよく言われます。どんな状態でも気楽にレースができているのが大きいですかね。優勝戦1号艇の時は緊張しますけど、それが顔に出ないですね。落ち着いていると言われます。ポーカーフェースが武器になっているかは分からないですけど、性格だと思っています。マイナスではないですし、プラスに考えています。

-験担ぎはしますか

大池 よく聞かれるんですけど、それがないんですよね(笑い)。自然体が一番いいと思っていますし、それを崩さないことがルーティンなのかもしれない。普段通りですね。

-多摩川のイメージはどうですか

大池 江戸川(通算4回優勝)と同じぐらい優勝(多摩川は通算3回)ができているので、得意水面と言っていいと思います。調整が合えば結構出るイメージです。GWに優勝した時は1Mで浜野谷(憲吾)さんに入られたと思ったけど、バックで出ていきました。窮屈な旋回でも、足が良かったら勝てるんだなと実感しましたね。スピード持って回るようにという意識で走っています。練習でも行くので、走りやすいレース場です。

-過去1年間のコース別成績を見て、自身を評価してください

大池 最近は記念で逃げられないです。ここ3、4節は記念で駄目なような気がします。インに苦手意識はないですけど、記念に行くと厳しいです。でも、思ったより1着率はありますね。レース場によりますけど、3コースは得意です。多摩川は特に3コースは攻めやすいです。センターはいいですね。5コースは1着が少ないですけど、2、3着は多いです。6コースは得意じゃないです(笑い)。記念でのイン戦が最近のネックだと思います。

-今大会に向けての意気込みをお願いします

大池 知り合いとかも見に来てくれるので、まずは予選突破したいですね。地元は気持ちが入り過ぎてしまうので、うまくメンタルを調整したい。でも、熱い気持ちは持たないと駄目だと思っているので頑張りたいです。

◆大池佑来(おおいけ・ゆうき)1986年(昭61)12月23日、神奈川県相模原市生まれ。101期生として07年11月多摩川でデビュー。10年8月江戸川で初優勝。12年1月芦屋新鋭王座でG1初優出。SGは18年8月丸亀メモリアルで初出場した。今年の獲得賞金額は2305万3666円。趣味はカメラ、登山、野球観戦。大の横浜DeNAベイスターズのファンとして知られる。159センチ、52キロ。血液型A。