下野京香(21=東京)が7Rで1着。今節初白星を飾った。

この勝利は自身初の1コーススタートからのもの。公式記録は「抜き」(1周2M)となった。

レースは、5枠の鵜飼菜穂子が進入で動き、2コース。それでも深くはならず、起こしは100メートルより少し手前の位置となった。

下野のスタートタイミングはコンマ09でトップ。まずは1M、握って攻めた3コースの新田芳美をしっかり受け止めると、差した鵜飼も届かず。2番差しの西村美智子がバックで艇を伸ばす。そのまま西村が2Mを先取ったが、冷静に行かせて差した下野が、ホームストレッチに先頭で戻ってきた。終始1~2艇身の間隔で西村に追われたが、しのぎきりゴールを迎えた。

レース後には「前夜版(出走表)が出たときからドキドキしていたんですが、ようやく落ち着けました」とほっとひと息ついた。

レース直前には、同じ東京支部の渡辺真奈美が下野に真剣な表情で、なにやらアドバイス。レース後に渡辺に確認すると「落ち着くようにアドバイスしました。すごいっす! 私は逃げ切るのに、1期間かかったのに(下野は)一発で決めるなんて」と感心した様子。レース中は、モニターの前で、声にならない声を上げ続けて応援する渡辺の姿が印象的だった。

その渡辺が続けて「昨晩、同部屋の清水沙樹さんと下野と私の3人で、作戦会議をしたんです。スタートが分からなそうだったので、そのあたりと、進入の仕方(前付け艇への対処法)なんかを話し合ったんです」。東京支部の先輩2人のバックアップが、下野の1着を後押ししたようだ。

下野は語る。「師匠の中谷朋子(兵庫)さんが、たぶん勝ったことを喜んでくれると思うんですが、それより1コースに頑張って入ったことに、よしよしと思ってくれていると思います」。

東京支部の下野が、兵庫支部の中谷の弟子になった経緯は「実は誕生日が同じなんです(9月29日)。私はすごく人見知りなんですけど、同じあっせんになったときに、勇気を出して話しかけてみたんです。そこからあっせんがいくつか一緒になったのが、ご縁のはじまり」と説明する。

「中谷さんは褒めてくれるときは、きちんと褒めてくれる。叱ってくれるときは、すごく真剣に叱ってくれる。私は流されてしまいがちな性格なので、そういう環境が必要でした」。

それに加えて「中谷さんのレーススタイルが好きなんです。クリーンなレースを心がけているし、乗り方がかっこいい」とレースに向かう姿勢に感銘を受けたのだという。

下野の水神祭は、18年12月の戸田G3オールレディース4日目7R。4コースからコンマ14のトップタイスタートでまくりを決めた。

「その時、私の水神祭で(同じあっせんだった)師匠が一緒に飛び込んでくれたんです。普段は絶対飛び込まない方なので、すごくうれしかった」。

中谷は現在、フライング休み中。7月4日の蒲郡一般戦で復帰する予定だ。

「中谷さんの休み中に、私の地元(東京・大森)までわざわざ遊びに来てくださって、一緒に飲んでカラオケをしたのが、最近楽しかったこと」。

そして最後に「私、中谷さんとメッチャ似てるって、周りから言われるんです。どうですか?似てませんか?」。師匠がどこまでもお好きなようだ。

30日は予選最終日。準優入りは逃してしまったが、4R5枠から一走入魂で、もうひとつ師匠のレース復帰の花道を造りたい。