124期の為本智也(19=福井)が、自身初の1日2連勝でゴールを駆け抜けた。

前半6R、枠なり3対3の3コースからスタート。スリットをコンマ04と踏み込むと、内枠2人を勢いよくのみ込んで、バック先制。道中は格上のベテラン、荒井輝年に終始突かれる展開ながら、堂々と押し切った。

後半9R、同じく枠なり3対3の、4コース・カドに陣取ると、コンマ10のトップスタートを決めて、再度まくり切り、決着をつけた。

前日までは、相棒23号機の伸びに疑問符を付けていたが、「スリット付近の伸びは良かったです。ただ、ターンが少し重くて乗りにくい」とトーンは若干変化した。後半のレース前にペラを大きくたたく姿があったが、自分の体感を信じて行った作業で課題の伸びは来た。

初の1日2連勝ゴールを自力で決めて「めっちゃうれしくて、笑みが隠せません」と興奮もひとしおだ。

大器の片りんは見せた。レース前、日刊スポーツのコラム欄で自身が取り上げられたのを読んだ。「注目してくれた記者さんに、恥ずかしい思いをさせないようにって、スタート展示と本番の待機行動中は、そればっかりずっと考えていた」と話した。

その為本は“現在地”をどう考えているか。

「目指す高みは“賞金王”です。それと、桐生順平さんのようなターンテクニックを身につけることが目標です。同期に負けないようにとも考えますが、自分は自分だと思うようにしています。その上で、自分の今後を考えると、今はまだいませんが、じっくり考えながら師匠を探したいと思います」。

レースではボートに乗艇したら、立ったままスリット方向に手を合わせることがルーティンだと話す。けがをせず、無事にピットに帰投すること。そして、好レースができるように。祈りは自分への言い聞かせでもある。