20年競輪の総決算となるKEIRINグランプリ(GP、30日・平塚)まであと4日。その前に、年末恒例の中野浩一氏(日刊スポーツ評論家)の激辛コラム「ザ・提言2020」をお届けします。全3回で、コロナ禍で大きな転換期を迎えた競輪界、そして選手に熱いメッセージを送ります。

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初回で少し触れたルールについても提言する。毎年のことだが、審判はもっと厳しく判定し、どんどん失格を取るべきだ。

まくってきた選手を止める動きを、実況や競輪マスコミは「いい仕事をした」と言う。私からすれば、ただの「競走妨害」でしかない。自転車競技では、相手を持っていかなくても止められる。それが技術。体当たりは技術ではない。ヨコに張るのではなく「前に踏め」と言いたい。まして、ヨコに張って1着を逃す選手など言語道断。先行選手が残れないのは、力がないだけだ。

特に、最近は狭いところに入っていく「中割り」失格を取らず、入った後の内外の動きを見てばかりだ。競技規則が変わったのだろうか? 狭いところを突っ込む中割りは、落車する危険性が高いことは明白。落車はお客さんの車券を紙くずにする。審判が厳しく判定することで、選手はその基準内で走るようになる。落車が起きる前に、ルール通り、厳しく失格を取っていけば、事故を未然に防ぐことになる。

そして、厳しく判定する代わりに失格全てを帰郷させず、最後まで走らせればいい。内抜きや内線踏み切りといった失格であれば、勝ち上がりを失わせた上で一般戦をずっと走らせるのだ。力のある選手が下のクラスで走れば、お客さんも買いやすい。それこそ、自らの違反行為で迷惑をかけたファンへの償いと貢献ではないだろうか。