最終日の22日がラストランとなる長沢道雄(50=兵庫)が、静岡県伊東市の「新型コロナウイルス感染症予防対策に関する事業」に、賞金から5万円を寄付した。

伊東競輪場には不思議な縁を感じていた。競輪学校(現選手養成所)65期を卒業して、90年4月に当地でデビュー。同期には、吉岡稔真、後閑信一、山本真矢といったスーパースターが名を連ねていた。「学校に入れたのも奇跡だったし、在校順位も良くなかった。でも、デビュー戦の2日目に初勝利を挙げて、そこから31年もやらせてもらえた。大往生です」。選手人生にやり残したことはない。

ホームバンクのない長沢は、ラストランの場所を選ばず、流れに身を任せた。「そうしたら伊東のあっせんが入った。これは何か恩返しをしないといけないと思いました」と寄付を思いついた。

目録を受け取った伊東市公営競技事務所の福西淳所長は「こういうご時世だけど、選手の気持ち、ファンの思いに応えられるよう、しっかり開催を続けていきたい。いただいた寄付金は、ありがたく市民のために使わせていただきます」と語った。

長沢は、最終日の一般1Rに出走。31年2カ月の選手生活の幕を閉じる。

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