端正な顔立ちとダイナミックなレースぶりで「ボート界の貴公子」と称されてきた山崎智也(48=群馬)が、電撃引退する。12日、日本モーターボート競走会に引退届を提出した。

「ボートの貴公子」山崎智也48歳早すぎる電撃引退「最近は勝っても楽しくない」GP2度SG11度制覇>>

記者と山崎智也は高校時代の同級生。教室の座席が前後だったのがきっかけで、デビュー前から親交はあった。山崎の「楽しいことを全力でやる」スタイルは、当時から確立していたように思う。遊びもゲームもパチスロも、はまり出すと寝食を忘れて没頭した。

朝から夜中までペラをたたいていたと思えば、開店からパチンコ屋に入り浸り、最近ではスマホゲームにどっぷり漬かっている。好きなことには労力を惜しまないが、それを努力と思っていない。行動全てが「楽しい」につながっていた。

レーサー時代はもちろん、勝利=楽しい。かなり昔、酒の席で「お前はボート以外何もできねぇな、って言われたい。それに1億円払ってでも賞金王になりたい」と話していたが、その願いは2度もかなった。29年5カ月のレーサー生活、本当にお疲れさま。次の目標はまだ決まっていないらしいけど、30年来の友人から見ると、ボート以外は何もできないと思うぞ。【湯田坂賢一】