準決12Rを終えた阿部大樹(33=埼玉)が、神妙な面持ちで引き揚げてきた。「最後は踏むコースがなかった」と敗戦の弁。この時点では3着で決勝に滑り込んだことを理解しておらず、決勝のメンバーを確認すると「え? まじですか? びっくり! 衝撃!」と目を丸くした。

すぐさま、先に決勝進出を決めていた坂本貴史(33=埼玉)のもとに駆け寄ると“ラブコール”。初連係が実現した。「同期で同い年で(競輪学校=現選手養成所の)同部屋。同じ釜の飯を食った仲ですから」と全幅の信頼を寄せる。

坂本も「付いてもらえるなら自力で頑張るよ」と快諾。準決10Rでは藤根俊貴の番手回りを生かして1着ゴール。「藤根君と一緒に乗れなかったのは悔しいけど、柳詰(正宏)さんをさばけたのは、自分にとっても収穫。後ろが仕事をすれば、若い選手も頑張ってくれると思う。もちろん、前でやるときには初日のようにしっかり動く」と力勝負を宣言した。