脇本雄太(33=福井)が決勝でようやく真価を発揮し、当地G3・2年連続の完全VでG3通算11勝とした。

ここまでの3戦は全てまくりだったが、ファイナルは8番手から打鐘前2角で早くも発進。3番手の清水裕友、7番手の坂井洋に動くチャンスさえ与えず、悠々と逃げ切った。

準決の後には「3日間悪くなる一方。気持ちと体がマッチしない。気持ちだけでも戻したい」と話したが、心を戻した結果が早仕掛けにつながった。

「足はともかく、気持ちはいい方につながった。それと、番手の稲川(翔)さんとは信頼関係がある。稲川さんが後ろなら何とかしてくれるというのも大きかった」

10月に前橋で行われるG1寛仁親王牌は出場できないため、今後は11月のG1競輪祭(小倉)に照準を合わせる。「そこを目標に休息も取りながら、しっかり仕上げていきたい」。

この逃げ切りが10月以降の脇本を、さらなる高みに押し上げる。【榎並義朗】