KEIRINグランプリ(GP)2度、日本選手権(ダービー)4度優勝などGP・G18冠を誇り「先行日本一」「魂」と呼ばれ、ファンに愛された近畿のレジェンドレーサー村上義弘(48=京都)が29日、突如、現役引退を発表した。今月24日からの地元向日町競輪開設記念(G3)を病気欠場した。

村上は、競輪学校(現養成所)73期生(在校16位)として94年4月小倉でデビュー。97年オールスターでG1初出場。00年2月のふるさとダービー豊橋でG2を初優勝し、02年には岸和田全日本選抜でG1初制覇。特に輪界最高峰のG1であるダービーに強く、13~14年の連覇を含め、吉岡稔真氏(引退)と並び史上最多タイの4度の優勝を誇った。また、実弟の博幸(86期)が優勝した10年松戸ダービーでは自身も2着に入り、G1決勝での兄弟ワンツーも飾った。また、12年の京王閣GPでは、練習中の落車による肋骨(ろっこつ)骨折を抱えながら、単騎で優勝する伝説もつくった。

落車やけがも多かったが持ち前の負けん気の強さと、レースの先頭に立ち、逃げにこだわるスタイルで「先行日本一」の看板を掲げて活躍。またその鬼気迫る姿を「魂の走り」とも呼ばれ、競輪ファンを魅了しづけていた。

近年は相次ぐ落車負傷や長年放置していた虫垂炎の悪化など不調も重なり19年末を最後にS級S班から陥落。現在はS級1班にランクされていた。

◆村上義弘(むらかみ・よしひろ)1974年(昭49)7月6日、京都市出身。花園高卒。競輪学校(現養成所)73期生として94年4月9日小倉でデビュー(861)。G1は02年岸和田全日本選抜、03年一宮オールスター、11、13、14、16年日本選手権(ダービー)の計6冠。GPは12年京王閣、16年立川の2度優勝。G2は5勝。16年最優秀選手賞など表彰は多数。通算2236戦655勝。170センチ、75キロ。血液型O。