日刊スポーツ新聞社制定「第35回オートレース年間三賞」が、選考委員会により選定された。技能賞は青山周平(38=伊勢崎)が受賞した。なお、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。

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オートレース界NO・1の実力を誇る青山周平は、初めて技能賞を受賞した。「日刊スポーツ三賞は毎年の目標の1つにしています。2つの枠(殊勲賞と技能賞)しか選ばれる可能性がないので、とても光栄に思っています。何回いただいてもうれしいですね」。喜びの表情を浮かべた。

感謝の気持ちも忘れなかった。「自分1人の力では、このような結果は残せないですから。ファンの方はもちろん、周りの選手や関係者、家族など多くの人に支えられています。ありがたいです」。レーサーとしてだけではなく、人間としても成長を遂げている。昨年はSGオートレースグランプリ(6連勝の完全V)と日本選手権の2度SGを制した。また、出場したグレードレース5節連続Vの快挙も印象に残った。

その青山は19~21年まで、3年連続で日刊スポーツ三賞のMVPに当たる殊勲賞に選ばれた。大会4連覇を狙った昨年末のスーパースター王座決定戦で、4着に敗れたことが大きく響いた。「希望の1枠を選べたのに、そこで勝てなかったのは自分の力不足だと痛感しています」。

ファンから絶大の信頼を得ている「最強戦士」は、常に目標を掲げて全力で取り組む。トップレーサーのプライドを胸に、今後も進化を続ける。

◆青山周平(あおやま・しゅうへい)1984年(昭59)12月5日、千葉県生まれ。伊勢崎所属31期生。全国ランクS級2位。SG優勝はオートGP(18、19、22年)、日本選手権(18、19、22年)SS王座決定戦(15、19、20、21年)、全日本選抜(21年)、オールスター(16年)。通算優勝83度。趣味は映画観賞、公営競技観戦。164センチ、53キロ。血液型O。

◆技能賞・選考 鈴木が殊勲賞を受賞したことにより、すんなり青山に決定した。

◆選考委員会 JKA事務所(東京都港区)で行われ、選考委員は東京レース部長沢畠功二、西日本レース部長町田達彦ら14人で構成。協賛のJKAもオブザーバーとして出席。

◆オートレース年間三賞 1988年(昭63)に創設された。1年間(1~12月)に活躍した選手を表彰する。表彰対象は原則としてSGの優勝者で、他にさまざまな記録が考慮される。JKAが協賛。受賞者には賞金と表彰状が贈られる。年間三賞はボートレース、競輪も制定されている。

・殊勲賞 SGの優勝者が対象。SGを複数回優勝するなど、最も顕著な活躍を見せた選手。その年のMVP。

・敢闘賞 原則としてデビュー5年未満の選手。優勝回数などを総合的に勘案して選出。

・技能賞 優勝レース、優勝回数、優出回数など、その年の成績を総合的に勘案して選出。

・女子特別賞 優勝回数、優出回数をはじめ、混合戦で活躍した選手を選出。