日刊スポーツ新聞社制定「第35回オートレース年間三賞」が、選考委員会により選定された。女子特別賞は佐藤摩弥(30=川口)が受賞した。なお、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。

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佐藤摩弥が5年連続の女子特別賞を受賞した。

昨年12月27日、初めて出場したSSガールズ王座決定戦は、圧倒的なスピードを見せつけて制した。4代目女王に輝いた勢いでSSシリーズ戦に優出。ファイナル2着で1年を締めた。19年から3年連続でSS王座決定戦TR戦出場。19、20年はSS王座決定戦に進出した。本人からすれば悔しい年末だったに違いない。「ガールズ王座は絶対勝ちたいって臨めたから、勝ててよかった。私が受賞できたんですね。若い選手も出てきたので負けないように、刺激をもらって自分も成長できるようにしたい」。

21年夏場以降は極度のスランプになり、22年前期適用ランクはA級7位。6期守ったS級から陥落した。パーツ交換に頼らず、セッティングを煮詰める整備スタイルを変えた。新しいことにチャレンジして車を乗り替わり、大きなパーツ交換も行った。

整備に迷い悩む状態が1年近く続いたが、秋ごろに復調の兆しが見えた。「調子が悪い時期が続いたのにファンの方が変わらず応援してくれた。エンジンが良くなり優勝できて、気持ち的にも前向きになれた。今年はSGの優勝戦を走る姿をファンの方に見せたい」。精神的にひと回り成長したサトマヤが、オート界の頂点を目指す。

◆佐藤摩弥(さとう・まや)1992年(平4)5月16日、埼玉県生まれ。川口所属31期生。全国ランクA級2位。女子NO・1レーサー。16年のG2川口記念で、女子初となるグレードレースの優勝を飾った。20年の若獅子杯争奪戦で自身2度目のG2制覇。19、20年にはSS王座決定戦にも出場している。通算優勝9度。151センチ、49キロ。血液型B。

◆女子特別賞・選考 佐藤摩弥が5年連続の受賞となった。女子NO・1として業界をリード。満場一致で、異議は全く出なかった。

◆選考委員会 JKA事務所(東京都港区)で行われ、選考委員は東京レース部長沢畠功二、西日本レース部長町田達彦ら14人で構成。協賛のJKAもオブザーバーとして出席。

◆オートレース年間三賞 1988年(昭63)に創設された。1年間(1~12月)に活躍した選手を表彰する。表彰対象は原則としてSGの優勝者で、他にさまざまな記録が考慮される。JKAが協賛。受賞者には賞金と表彰状が贈られる。年間三賞はボートレース、競輪も制定されている。

・殊勲賞 SGの優勝者が対象。SGを複数回優勝するなど、最も顕著な活躍を見せた選手。その年のMVP。

・敢闘賞 原則としてデビュー5年未満の選手。優勝回数などを総合的に勘案して選出。

・技能賞 優勝レース、優勝回数、優出回数など、その年の成績を総合的に勘案して選出。

・女子特別賞 優勝回数、優出回数をはじめ、混合戦で活躍した選手を選出。