日刊スポーツ新聞社制定「第37回競輪年間三賞」の表彰式が15日、4年ぶりに読者、関係者約80人を集めて都内のホテルで行われた。今年も日刊スポーツ評論家の中野浩一氏とヤマコウ(山口幸二氏)が、表彰式を盛り上げた。

殊勲賞は古性優作。賞金王ではないものの、G1・3冠が評価された。「脚力だけでは寺崎(浩平)には勝てない」分、突出したヨコの技術が今の安定感を生んでいる。その動きは、頭で分かっていてもできないことが多い。それがすごみを呼び、確固たる信念が加わり、古性に歯向かう選手が少ない。しかし、懸念もある。近畿地区は寺崎に続く若手の成長株が少ないことだ。今年は若手を育てることも重要になる。

敢闘賞は真杉匠。今年は練習中の骨折でスタートダッシュに失敗したものの、復帰戦の岐阜G1全日本選抜は、けが明けを感じさせなかった。負けて評価が上がる選手は立て直しも早いだろう。

技能賞は松浦悠士。その洞察力は、若手自力選手にとって参考になることが多い。その意味で松浦のかじ取りは大切だ。

先日の岐阜G1は新しいファンが増えて場内が活気にあふれた。このファンを取り込むような面白いレースを期待する。(日刊スポーツ評論家)