菊地孝平(45=静岡)がコンマ02のトップスタートで逃げ、4月児島周年に続く、通算17度目のG1優勝を飾った。

マスターズは初出場で初優勝。来年1月常滑のプレミアムG1バトルチャンピオントーナメントの出場権を獲得した。2着に赤岩善生が入り、82期のワンツー決着。3着争いは寺田祥が競り勝った。

持ち味を最大限に発揮した速攻劇だった。進入は外枠勢が動いて、菊地は100メートルあたりからの深い起こしに。「最善のスタートを行かないと負けてしまうなと。冷静な時だったらあそこまで行ってない。余裕のなさから行かされた」。ただ1人、ゼロ台の踏み込み。それもコンマ02だ。超絶な仕掛けを決め、1Mを軽やかに回って抜け出した。

今節は初日ドリーム戦こそ5着に終わったが、その後はオール2連対。「鳴門はもともとすごく苦手。でも、いいときはいい。2日目にすごくいい感じでレースができて、流れに乗っかった」。前節の児島G1は予選18番目から制し、今度はトップ通過での優勝。「児島といい中四国はいいですね」と笑った。

昨年の井口佳典に続いてルーキーイヤーに名人の称号を手に入れた。これには「師匠の金子(良昭)さんも取ってるし、そうそうたる方々が取られている。SGに近い雰囲気があるし、この中で勝てたのは自信になる」と胸を張った。

この優勝で賞金も加算し、年末に向けても足取りは順調だ。それでも、「これに浮かれることなく、目の前の1走1走を走っていく」と緩めることはない。これからも若々しく、ボートレース界を盛り上げる。【栗原ひろ人】

◆菊地孝平(きくち・こうへい)1978年(昭53)8月16日、岩手県八幡平市生まれ。82期生として98年5月の浜名湖でデビュー。初優勝は01年5月のびわこ。G1初優勝は04年7月の常滑周年。SG初優勝は05年9月の若松メモリアル。通算優勝は73度。うちG117度、SG5度。史上3人目のゴールデンレーサーとして認定された。165センチ、52キロ。血液型AB。