J1首位ヴィッセル神戸のFW大迫勇也(33)が日本選手では史上最年長となる年間20ゴールにあと1点と迫っている。今季は得点ランキング首位タイの19得点。23歳だった鹿島時代の13年にマークした自己最多に並んでいる。33歳シーズンに大台到達となれば、日本選手では97年の神戸FW永島昭浩、00年の磐田FW中山雅史、15年の川崎FのFW大久保嘉人に並ぶ最年長記録となる。

「元日本代表」という肩書はふさわしくないかもしれない。シュート技術は10年前と比べて向上。19得点を挙げた13年は103本のシュートを放ち、シュート決定率は1割8分4厘だったが、今季はシュート55本で19得点。同率は3割4分5厘に達する。33歳になった今季は好機を確実に仕留める勝負強さがこれまで以上に光る。

得意のポストプレーだけでなく、空中戦でも強さを発揮。ヘディングでのゴールは昨季までのJ1では年間1点が最多だったが、今季は既に5点を数える。進化を続ける日本を代表するFWは自身初のJ1得点王の可能性もあるが、「全く考えていないですし、チームのために点を取ることが、神戸での仕事」とチームの勝利を優先する。

次節は29日に勝ち点1差で2位につける横浜との直接対決。ここで勝って勝ち点差を4に広げれば、最短で10月28日の第31節に神戸の初優勝が決まる可能性がある。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)