女子日本代表なでしこジャパンの、4大会連続となるリオデジャネイロ五輪出場が絶望的になった。日本(FIFAランク4位)が中国(同17位)に敗れ、1分け2敗の勝ち点1で6チーム中5位。残り2連勝でも出場権を得る2位以内の確保が厳しくなった。

 がっくりと両手を膝につき、宮間は視線を地面に落とした。サポーター席に向かうと深々と頭を下げた。涙が頬を伝った。代表160試合目。敗戦を受け止めると「責任を感じている。主将として自分はチームの選手の味方だし、傷つけることはできない。最後(の試合)まで、自分が何を言われようとやりたい」としぼり出した。

 歯車は最後までかみ合わなかった。パスを出したと思えば一転、守備へ。後半開始40秒でのミドルシュートもGKに防がれた。11年W杯優勝で世界を極め、12年ロンドン五輪と15年W杯は銀メダル。女子サッカーを「ブームではなく文化にしたい」という名言を残した宮間は、勝ち続けることが唯一の策だと分かっていた。00年シドニー五輪を逃した女子は実際、多くの企業チームなどが廃部に追い込まれ、多くの先輩が悔し涙を流してきた。

 「ここ3戦、プレーでかなわないとは思わなかった。今まではかなわないと思う相手に勝ってきた。それがサッカーの怖さであり、難しさですかね」

 主将は試合後、仲間に「下を向く時間はない。誰に何を言われようと、国を背負っているのは変わらない」と声をかけた。これで一気に世代交代が進む可能性もある。残り2戦。かすかな五輪出場の可能性へ「みんなのいいところを出したい。それができていないのが一番悔しい」。157センチの小さな体で、最後までなでしこジャパンを背負い続ける。【松本航】