【アルアイン(UAE)20日】日本代表FW本田圭佑(30=ACミラン)が、チームに合流した。所属のミランで出番がないままの招集。これまでとは違う意味で注目される本田が、胸の内を明かした。招集された25人は20日に決戦の地アルアインに全員集合。膝のけがで離脱が決まったMF長谷部誠(33=フランクフルト)が見守る中、チームは2日目の練習を行った。

 なぜ、試合に出ていない本田を呼ぶのか? 疑問の声があることは、関係者を通じ耳に入っているようだ。どんな気持ちで代表に合流するのか。UAE入りする直前、ミラノで本田に聞いた。代表への思いは、一切変わっていないのか?

 本田 まず「一切変わっていないのか?」という質問がおかしい。代表への思いは、変わりようがない。自分が日本人である以上は。今回、クラブで出ていない人間が代表に選ばれるのはどうかという意見は理解できる。日本だけじゃなくて世界でもサッカー以外の世界でも、スポーツに限らず、当然起こり得ること。つまり、ちゃんと活躍して結果を残さないといけないというのが一番のポイント。皆さんに、好きにものを言わせているというのは、俺の不始末だと思う。

 続けざまに、招集された意味合いなどを力説した。

 本田 ポイントはエミレーツ、UAEに勝たないといけない。そこ。要は、日本が勝てばいい。別に本田抜きでも勝てば、それでいい。自分が今、この状況で国民や監督に必要とされないとなるのは、あくまで自分の不始末。それを解決できるのも自分だけ。出てない俺を必要とするかどうか、それは監督が決めればいい。監督に権限がある、使うも外すも。俺は自分のやるべきことはやる、それだけ。自分の仕事は変わらない。ただ、勝つためのメンタリティーを知っている選手がまた少ないのも事実で、監督が俺を頼りにしているのも事実。勝てばいい、とりあえずはW杯に行くこと。そこやから。

 ユベントスのモロッコ代表DFベナティアはクラブで出場機会が少ないことを理由に今回の招集を辞退した。これには「行かないという考え方もOK。でも、理解はできない。本当の思いは彼にしか分からないわけやから。どうこう言うべきではない」と口にした。

 昨年11月のサウジアラビア戦で先発から外されて以降、ここまで代表のことをしゃべるのは珍しい。「不始末」にどうケジメをつけるのか。気持ちはぶれていない。勝ちたい、W杯に行きたい。それは確認できた。試合勘うんぬんはあるが、少なくとも情熱と執念をチームに植え付ける準備に、抜かりはないようだ。それを試合で証明する機会は、巡ってくるのか-。【八反誠】