【江陰(中国)9日=小杉舞】森保ジャパンが今日10日、初の公式戦となるU-23アジア選手権で1次リーグ初戦のパレスチナ戦に臨む。東京五輪世代のU-21日本代表を率いる森保一監督(49)は、試合会場で公式会見に出席。冷え込んだ夕方からは約1時間の最終調整を行った。東京五輪へ向けての本格スタートとなる今大会では、1人1人の力を最大限に発揮させ、組織的に戦う森保イズムを植え付ける。

 じっとできないほどの寒さで、思わず森保監督も駆けだした。シュート練習では、時折選手と一緒にゴール前まで走り、丁寧に指導。約1時間、最後まで森保イズムをたたき込んだ。

 「選手には組織的に1人1人力を発揮した上で、意思統一して戦って欲しい。準備期間でやってきたことをトライしてくれれば」

 東京五輪に向けての戦いが始まった。森保ジャパン初めての公式戦で、20年への基盤を作る大会。会見で指揮官は「1戦1戦大事に、1試合でも多く試合をして(決勝まで)6試合したい」と、優勝し経験値を高める考えを示した。チームをけん引する主将は「神谷(優太)にやってもらおうかと思う」。だが、あくまでも今大会限定で「主将だからといって五輪まで生き残れる保証はない。1人1人が責任感を持ってやって欲しい」と、東京五輪まで個々の意識向上を求める。

 2日に大阪で合宿を始めて約1週間。昨年5月のU-20W杯に出場し、この世代エース候補のMF堂安やFW久保らが不在の一方、W杯メンバー未選出だった同12月のタイ遠征組とも顔ぶれは大幅に変わる。準備期間は短いが、組織的に戦う森保イズムを浸透させるため、指揮官は選手を個人的に呼び出して意見交換するなど意思疎通を図ってきた。東京五輪でのメダル獲得に向けて、森保ジャパンが本格的にスタートする。