清水エスパルスFW北川航也(22)が、初めて日本代表入りを果たした。8日、日本サッカー協会が国際親善試合(12日パナマ、16日ウルグアイ戦)に臨む日本代表メンバーに北川を追加招集すると発表。清水からは、2012年のGK山本海人(33=現J2横浜FC)以来6年ぶりとなった。

北川の夢が、現実になった。前日7日、ジュビロ磐田との静岡ダービー後、クラブ関係者から代表入りの知らせを聞いていた。磐田戦では、プロ初の3戦連続得点を含む2得点で2桁(11得点)を達成。一夜明けたこの日午前、代表合宿地の新潟へ移動し、午後4時からの初日練習に参加した。軽めのメニューを消化すると、待ち構えていた取材陣を前に、初々しい表情で言った。

「緊張はしますが、自分にとってプラスになることしかないと思います」

下部組織の清水ジュニアユース時代から年代別代表に選ばれ、将来を嘱望されてきた。だが、清水ユース在籍時の14年春に左膝内側靱帯(じんたい)断裂。復帰直後もケガに悩まされ、ほぼ1年間プレーができなかった。15年にトップ昇格を果たすも、1年目は7試合出場でチームも初のJ2降格。リオデジャネイロ・オリンピック代表入りも遠のいた。

それでも、16年はJ2で9得点を挙げ、J1復帰に貢献。「満足せずに上を目指したい」と言い続け、今季は開幕からスタメンに定着した。7月に加入したFWドウグラス(30)らとの連係で得点を重ねてのA代表入り。遠回りした分、「やっとスタートラインに立てました」と言った。

清水からは、GK山本以来6年ぶりの日本代表招集。フィールド選手では、北川が「憧れ」と話すFW岡崎慎司(32=レスター)以来だ。「難しいことはやらずに、自分の特徴を出していきたいです」。狙うは12日パナマ戦での代表デビュー。青のユニホームを着続けるために、練習からアピールする。【神谷亮磨】