ドルトムント(ドイツ)がアウェーでパリ・サンジェルマン(フランス)を1-0で下し、2戦合計2-0で決勝進出を果たした。

35歳のベテランDFマッツ・フンメルスが決勝点を挙げ、準優勝だった12-13年以来、11年ぶり3度目のファイナリストに。今季の欧州ではドイツ勢の躍進が目立っている。決勝は6月1日にロンドンで行われる。

 

パリの歓喜-。下馬評を覆したドルトムントの選手たちは、サポーターと一緒になって喜びをあらわにした。殊勲の男はまたしてもフンメルスだ。後半5分、CKからのピンポイントパスを豪快にたたき込んだ。「積極的にプレーして試合のペースを握り、スタジアムの雰囲気を盛り上げられた。それが今日の成功のレシピ」。2試合連続のマンオブザマッチに輝いた。

今季で契約満了、去就が注目されるフンメルスを中心に、黄色の壁がゴールにカギをかけた。次々とクロスボールをはね返し、エムバペ、デンベレに突破するスペースを与えない。将棋に例えるなら「穴熊囲い」。被シュート31本。第1戦同様にゴールポストを何度もたたいたが、裏を返せばシュートコースを消したからこそ。2試合連続の1-0という“完勝”だった。

毎年のように主力選手が出て行く。ハーランドはマンチェスターC、ベリンガムはRマドリード。この日対戦したデンベレ、ハキミも元所属。いわゆる「ステップアップクラブ」だ。その方針を貫き現実的な戦い方でビッグクラブと伍(ご)している。23年のクラブ収益は約697億円。1331億円を計上するパリSGの半分規模なのだからサポーターの留飲も下がる。

11年前の決勝を知るフンメルスは「グループステージの第2戦以来、どの試合でも勝てると信じてきた。今は(決勝の)ウェンブリーで勝てない理由がない」。96-97年以来、27年ぶりの優勝が視野に入った。

◆ドイツ旋風 ドルトムントに加えバイエルン・ミュンヘンも4強に進出している。また、シャビ・アロンソ監督率いるレーバークーゼンは、5日にE・フランクフルトに勝利し今季公式戦48試合無敗という欧州タイ記録を樹立。その上で欧州CLに次ぐ欧州リーグで準決勝に進出している。

【動画】フンメルスが低い弾道のCKに頭を合わせてドルトムント先制点