女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランク8位)が国際親善大会第2戦でブラジル(同10位)に3-1で快勝した。大会初優勝へ王手。途中出場のFW小林里歌子(21)が国際Aマッチ初得点で勝利に貢献。高倉麻子監督の秘蔵っ子が、ワールドカップ(W杯)イヤーのチームで存在感を示した。最終戦は5日(日本時間6日)、イングランド(同4位)と対戦する。

国際Aマッチ2試合目出場のFW小林が決勝点となる代表初ゴールを挙げ、チームをタイトルへと加速させた。1-1の後半36分にFW籾木のクロスボールに頭で合わせた。「モミさんがいいボールをあげてくれたので、入ってよかった」。W杯フランス大会予選7戦全勝の南米女王を黙らせる1発となった。

遅すぎるぐらいの代表初ゴールだ。女子サッカーの名門常盤木学園出身。13年U-16女子アジア選手権得点王、14年U-17W杯コスタリカ大会優勝などを経験し、続く15年U-19女子アジア選手権ではMVP。同年のアジア女子最優秀ユース選手にも輝いた。この3大会で日本を率いたのが高倉監督で、秘蔵っ子だった。

しかし、順調だった矢先の15年9月の国体準決勝で右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けが。日テレ加入後の16年11月にも右膝半月板損傷で全治5~6カ月のけがを負い、約2年半、公式戦に出場することができなかった。18年4月に公式戦に復帰。同11月に日テレで初のリーグ戦フル出場。その時を待っていたかのように今年1月の代表合宿でなでしこに初選出されると、出場2試合目で早速結果を出してみせた。

大会前の国内合宿で特別コーチを務めた元日本代表DF秋田豊氏(日刊スポーツ評論家)直伝のヘディング弾だった。なでしこは高倉体制で、合宿時に朝原宣治氏や、メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京氏を特別講師に招いている。トップアスリートの教えを、確実に結果に結びつけ、W杯へと向かう。イングランドとの最終戦にVがかかる。「課題を改善しながら、成長した姿を見せられるように頑張りたい」。6月のW杯フランス大会のシンデレラ候補が、なでしこをタイトルへ導く。