国際親善試合キリンチャレンジ杯の日本戦(5日)に臨むパラグアイのエドゥアルド・ベリッソ監督(49)が4日、茨城県立カシマサッカースタジアムで行われた公式会見に出席した。冒頭まず「今回、日本に来ることができてうれしい。戦えて光栄だし、日本という手ごわい相手との重要な試合。いいテストになると思う」とあいさつした。

6月の南米選手権ブラジル大会では、日本とカタールの招待出場に苦言を呈したこともあったアルゼンチン人の指揮官。それを踏まえ、南米選手権での日本の戦いぶりをどう見たか質問されると「まず言っておきたいのは、日本とカタールのレベルが関係していたわけではないということ。コパ・アメリカ、なのでアメリカ大陸のチームが戦うべき。アジア杯にはアジアのチームしか出られませんよね。その意味で発言しました」と真意を説明した。

その上で、ウルグアイと2-2で引き分けるなど2分け1敗だった日本について「南米の強豪と対等に戦えることを証明した。あらためて、私の発言は運営面に関するもので、アジアの国はアジア杯、アフリカの国はネーションズ杯に出るべきもの。コパもそうであるべきだ」と続けた。そして「コパで、U-22代表のチームもまじえながら健闘した日本を相手に、我々は来日してから順応する時間が短いが、しっかり準備して戦いたい」と話した。

次に、ベリッソ監督が選手と監督で縁深かったスペインリーグでプレーしている、日本のマジョルカMF久保や2部デポルティーボのMF柴崎について聞かれると「久保選手がレアル・マドリードと契約したことで、日本の方々が、よりスペインリーグに注目するきっかけになったと思う。あとは(エイバル)乾選手もいるよね。そして柴崎選手と、競争力の高いリーグでプレーする力を持った選手がいるから道が開けた」と評価した。

17年には、そのスペイン1部の強豪セビリアを率いて来日し、鹿島アントラーズと親善試合を行った。試合は0-2で敗れたが「再びカシマに来られてうれしい。チリ代表のスタッフ(ビエルサ監督時代のアシスタントコーチ)としても来日したことがあるし、おもてなし、温かい受け入れに感謝したい。日本に対して大きな愛情を持っている。ですので、コパでの発言は日本だからではなく、ということをご理解いただきたいと思っています」と語った。

最後に、ベリッソ監督の戦術に対する豊富な知識を持つ、元日本代表MFの戸田和幸氏から「クラブで監督する時と代表で監督する時の違い、難しさ」を問われると「これまでの私の指導に関する分析とご意見、ありがとうございます」と感謝。「最も大きな違いは時間ですね。試合前の準備の時間が代表は限られる。今回の親善試合も、前日のなって初めて全員がそろって練習できる。クラブでは日々、トレーニングを重ねて戦い方を浸透させられるが、代表にピッチ上で表現させるには適切な選手選考が大切」と強調。「その結果、我々はコパでは強豪国と対等に戦えた。アルゼンチンやコロンビアといった国に対し、際立った個を消す戦いができた。これらのすべてを、日本戦のピッチ上で表現できるようにしたい」と意気込み、報道陣から拍手が送られた。

パラグアイは南米選手権でアジア王者のカタールと同組になり、初戦で2-2の引き分けだった。その後はアルゼンチンと1-1、コロンビアに0-1と肉薄し、2分け1敗。1次リーグB組3位となったが、3位3チームの争いでC組の日本を得失点差で上回り、準々決勝に進出。優勝したブラジルと対戦し、0-0からのPK戦3-4の大接戦。敗れはしたが、格上の3カ国を苦しめて奮闘がたたえられていた。