日本代表がパラグアイ代表に2-0で快勝した。前半にFW大迫勇也(ブレーメン)、MF南野拓実(ザルツブルク)がそれぞれ決めた。

6月に続いての選出となった18歳MF久保建英(マジョルカ)は後半開始からMF堂安律(PSV)に代わって右サイドで出場し、何度も見せ場を作った。

海外組として迎えた初めての試合にも、久保は動じなかった。4分にさっそく得意のドリブルで仕掛けて反則を誘うと、右よりの位置から自ら直接FKを狙った。右上へ外れたが、いきなりの見せ場にスタンドはどよめいた。1日にマジョルカでスペイン1部デビューを果たし、翌日に帰国したばかり。「長距離移動は自分だけじゃないのでそれを言い訳にできない。(スペインでなく)近いところから来たんじゃないかというプレーができたんじゃないかと思う」と、はじめからエンジン全開だった。

後半からの出場ながら、シュート数は南野と並ぶチーム最多の5本。「チャンスがあったら逃さずに積極的にいこうと」と、いつにもまして貪欲だった。それだけに「打ったからには決めないといけない。入っていないことがすべて」と、笑顔を見せることはなかった。

6月のキリンチャレンジ杯エルサルバドル戦(仙台)では後半途中からの出場だったが、より多くのプレー時間を勝ち取った。森保一監督は「エルサルバドル戦とコパ(南米選手権)でのプレーを評価した」と起用の意図を語った。無失点で終えること、そして点をとることを指揮官から伝えられてピッチに立ったという久保は「(ゴールは)いつか入ることを信じて狙っていければ」。言葉には確かな手応えがにじんだ。

A代表デビューからここまでわずか約3カ月。久保はこの期間を「めまぐるしく環境が変わるという言い方が正しい」と振り返った。南米選手権出場、スペイン1部レアル・マドリードへの完全移籍からトップチームでの実戦経験、そしてマジョルカへの期限付き移籍。激動だった。

「いろんなチームや代表で、変わるサッカーやメンバーの中で、トップレベルの人たちとサッカーができているというのは、自分にとってすごくいいことだと思います。学べることがたくさんあります。環境が変わることを逆にプラスに捉えたい。好きでやっているので全然大変じゃないです」。

18歳の言葉はなんとも頼もしかった。

10日にはいよいよ22W杯カタール大会アジア2次予選が始まる。久保が出場すれば、W杯予選では最年少出場となる。「18歳であれ35歳であれ、選ばれたからには代表のために一丸となってやるだけ。今日もしっかり勝ちました。明日からまた準備したい」。自然体を貫く久保に、昇り龍のような雰囲気が漂っていた。