W杯7大会連続出場を目指す森保ジャパンに、大阪の悲劇が起きた。アジア最終予選初戦で日本(FIFAランク24位)はオマーン(同79位)と対戦。後半終了間際の失点で0-1と敗れ、過去9勝3分けだった格下にホームで歴史的な黒星を喫した。現役時代にドーハの悲劇を体験した森保一監督(53)率いる日本は、7日(日本時間8日)にアウェー扱いとなるカタール・ドーハで中国との第2戦が待つ。同予選は来年3月まで残り9試合ある。

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試合の流れを変えるべく途中出場した東京五輪組も不発に終わった。五輪でチームをけん引したMF堂安律(23=PSV)は後半18分、MF久保建英(20=マジョルカ)は後半25分からそれぞれ途中出場。右サイドとトップ下を臨機応変に入れ替わりながら攻撃参加。五輪でも攻撃を支えた距離感を再び見せたが、最後まで得点は生まれなかった。久保は「9月の2試合でまずは勝ち点6をとって帰れれば」と話していたが、早くもつまずいた。

最終予選に向けて事前に長期合宿を行ってきたオマーンに対し、日本の練習時間はわずか。そうした中で、東京五輪の期間で長く共にプレーした久保と堂安、さらに後方に立つオーバーエージ(OA)枠だったDF酒井らの連係が、停滞感から流れを変える打開策になるはずだった。37分には久保と堂安が近い位置でダイレクトパスをつないでペナルティーエリア内に攻め込むも、戻りが早い相手の守備陣をこじあけられなかった。

五輪では久保が1次リーグ3戦連発と爆発も、決勝トーナメントでは無得点。3位決定戦に敗れた後は「点を取れないで終わったら一緒。結果にこだわり、どんな形でも先に点をとらないといけない」と口にしていた。まさに1点がほしい状況で投入された2人だったが、指揮官の期待にこたえることはできなかった。

堂安は言った。「五輪世代がこれから台頭して、A代表で出ていかないといけない」。五輪世代のダブルエースも、A代表での現状は控え組。最終予選という過酷な場で結果を出しながら、チーム内でも存在感を示す必要がある。この日は失敗した。強行日程で迎えるドーハでの中国戦で、目に見える数字がほしい。【岡崎悠利】

◆大阪でのW杯最終予選 6月の2次予選もパナスタで2試合行われたが、最終予選の大阪開催は今回が初。93年のJ発足後は東京・国立で4試合(2勝1分け1敗)、横浜・日産スタジアムで3試合(1勝2分け)、埼玉スタジアムで最多13試合(10勝2分け1敗)。14年ブラジル大会と18年ロシア大会のホームでの最終予選9試合は全て埼スタで行われ、埼玉以外は09年6月10日のカタール戦での日産スタ以来12年ぶり。埼スタでは不敗神話もあり、前回の最終予選初戦(16年9月1日)UAE戦で敗れたことで、不敗神話は18試合で途切れた。