日本(FIFAランキング28位)はアウェーで1-0でオマーン(同77位)に勝ち、2022年W杯カタール大会への出場権が得られるB組2位に浮上した。

絶対に勝たなければいけなかった年内最終戦。勝ち点9で3位だった日本が、同7で4位だったオマーンとの争いで勝ち点3を手にした。残りは来年1月末からの4試合。中国、サウジアラビア、オーストラリア、ベトナムと続く。

森保一監督は試合後、目を真っ赤にして「本当に、選手たちが最後まで戦い抜くということ、非常に難しい戦いでしたけど、最後まで戦い続けてくれたことが、ゴールに、勝利につながったと思います。目の前の一戦に、チーム一丸となって最善の準備をして、最後まで戦い抜くということをやって、W杯につなげていきたいと思います」と興奮気味に語った。

直前の試合で、2位だったオーストラリアが中国と引き分けてしまった。日本は勝てば2位浮上という大チャンスを、「カオル(三笘)からいいボールが来ました。今日勝って、オーストラリアと順位が入れ替わったことが全て」と話すMF伊東の2試合連続ゴールでモノにした。

DF吉田主将は「我慢して、我慢して、最後に1点点取って勝てたのは大きいですし、僕らにとって大きな大きな勝ち点3。ただ、内容的には、試合を支配できるようにならなければ、厳しくなるなと思いました。まあ、苦しい試合でした。現状、勝ち続ければ自力でW杯をつかめるところまできている。気を引き締めていきたい」と話した。

オマーンには9月の最終予選初戦で敗れ、まさかの黒星スタート。アウェーとはいえ2度目の対戦は、勝利しか許されなかった。

森保一監督の去就問題に発展する可能性もあった一戦。指揮官は、定番ともいえるいつものメンバーを信頼して送り出した。判で押したような顔ぶれで、累積警告による出場停止のMF守田の代役には、サウジアラビア戦でまさかのバックパスで、相手に得点を“プレゼント”したMF柴崎を3試合ぶりに先発起用した。

しかし前半は、その柴崎、FW大迫ら、森保チルドレンが機能せず、見せ場はほぼなし。0-0で折り返した。

森保監督は、珍しく、後半開始から勝負手を打つ。国際AマッチデビューのMF三笘を投入。柴崎を下げた。その三笘が躍動し、何度かチャンスを作りだしたがゴールが遠い。

その後は、いつもの交代。同17分にDF長友をDF中山に、MF南野を下げ、FW古橋を入れた。

じりじりした展開の中、後半36分にMF三笘のクロスに、伊東が飛び込み、待望の1点を挙げた。

その後、FW浅野、MF原口を入れて、逃げ切った。

指揮官は15日の試合に向けた公式会見で、「1戦1戦、力を出し切ってチームとして戦っていけば必ずW杯の出場権をつかみ取れると思っています」と述べていた。

現地で試合が行われた「11・16」は日本サッカー界にとって、特別な日。あの「ジョホールバルの歓喜」の日として刻まれている。

1997年のW杯フランス大会アジア第3代表決定戦。野人・岡野の決勝弾で、強豪イランに3-2で競り勝ち、初めてW杯への扉を開いた日。24年たち、同じ「11・16」に大きな大きな勝ち点3をつかんだ。

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