伊東が決めたら、チームも負けない。日本(FIFAランク26位)は、FW伊東純也(28=ゲンク)の3試合連続得点などで中国(同74位)に快勝。4連勝で勝ち点15とし、W杯出場圏内のB組2位の座をキープした。

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アジア最終予選における「3戦連発&チーム3連勝」は史上初。A代表8得点目で、得点を決めた全7試合で森保ジャパンは勝利を収める。大事なホーム2連戦の初戦でも、伊東ここにありだった。

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伊東の金髪が、神々しくも見えてきた。終わってみれば、伊東が決めている。日本サッカーの歴史をつくったのも伊東だった。過去のアジア最終予選ではカズ(三浦知良)、呂比須、原口が3戦連発を決めているが、3戦連発&3連勝は史上初。チームの4連勝に貢献した男は「自分が得点するタイプではないので、結構自分でも驚いている感じ」とおごらない。「毎試合、ゴールには絡んでやろうと思っているので、それが結果に出ているのかな」。謙遜する心。そりゃ、神も見放さない。

気付けば、伊東がいる。1点リードの後半16分。左サイド深くのDF中山のクロスに、ドンピシャのタイミングで入り込んだ。たたきつけるヘディングで、ゴール左へ突き刺した。昨年11月のベトナム、オマーン戦に続く得点。過去の2試合はともに1-0で決勝点をたたき出し、今回は追加点が欲しい時間帯にやって来た。「いいボールが来たので合わせるだけだった」と、当然のように仕事を果たした。

神域の右サイドを駆け回り続けた。前半11分には、ペナルティーエリア内の右を深くえぐり、クロスを供給。これが相手のハンドを誘い、PKを獲得。FW大迫の先制点を誘った。「マイナス気味にチップキックで浮かせようと思った。ラッキーだったけどよかった」。狙いとは違った軌道となったが、運さえもたぐり寄せた。

不敗神話の生き証人として、歩みを止めない。これでA代表8点目。得点を決めた森保ジャパンの全7試合で勝利する。「もちろん自分が決めたい気持ちがあるが、チームが勝つことが優先」とあくまで、自身の得点よりも、チームの勝利を欲する。「自分の特徴はアシストやチャンスメーク。そこを多く出していければ」。控えめぐらいな姿勢が、負け知らずの足跡を刻む。

神速でコンディションを上げてきた。年始に新型コロナウイルスの陽性判定を受けたが、ベルギーの冬季中断明けの試合で1得点。「もっとできるというのが率直な感想」と、底知らずのポテンシャルに自信をのぞかせた。昨年11月には結婚も発表。大事なパートナーを支えるだけでなく、日本代表の勝利の神として、得点という息吹を送り続ける。【栗田尚樹】