日本代表の森保一監督(53)が、6月6日のブラジルとの国際親善試合に、DF長友佑都(35=東京)を右サイドバック(SB)で起用する可能性が出てきた。

王国の切り札、FWビニシウス(レアル・マドリード)封じのミッションを、絶対的な信頼を寄せるベテランに任せる勝負手のようだ。

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通常はほぼ非公開となる試合2日前の練習が、オープンになった。王国に、小細工なしの真っ向勝負を挑む意思表示か-。公開された理由は不明だが、ピッチには「これまで戦ってきたメンバーで臨みたいと考えている」と語っていた森保監督の言葉通りの顔ぶれ。11対11の戦術練習では、最終予選での主力組がそろって先発とみられる組に入った。1人を除いて。

右SBの位置には、長友が構えていた。

今回、不動の右SB、DF酒井は負傷で不在。両SBをこなせるDF菅原も負傷離脱した。ブラジルとの大一番、森保監督は歴代2位、国際Aマッチ134試合出場のベテランにかけるようだ。本職は左SBながら、昨夏に復帰した東京や前所属のマルセイユでは右でもプレー。指揮官は、「左が一番合っているとは思うが、右も選択肢として持っておきたい」と語っていることもあり、DF山根ではなく、長友の右での先発が濃厚となった。

代表合流後は「世界的な選手との1対1や、守備のところで見せたい」と語っていた長友。対峙(たいじ)するのは世界最高レベルのアタッカーになりそうだ。マッチアップするのは、FWビニシウス。レアル・マドリードでは、欧州CL決勝でV弾。圧倒的なスピードと突破力、得点力を誇る。

ここまで、ベテラン長友の重用には懐疑的な声も出ているが、森保監督は、「データを見ても、批判されるようなところはない」と話すなど、絶対的な信頼を寄せている。ボスの思いと起用に応え、右でも「長友ここにあり」と国立で示すことができるだろうか-。

【岡崎悠利】