【ドーハ31日=佐藤成】1次リーグD組を2位突破した日本代表(FIFAランキング17位)が、バーレーン(同86位)に3-1と快勝し、順当に準々決勝へ駒を進めた。9大会連続の8強入りとなった。

左足首痛で1次リーグの3試合を欠場したMF三笘薫が、今大会初めてベンチ入りした。3大会ぶり5度目の優勝に向けて一発勝負の決勝トーナメント。森保一監督はようやくジョーカーを手元に置いた。

日本は立ち上がりから攻勢をかけた。前半10分、左CKからMF久保建英が入れたボールをFW上田綺世がヘディングシュート。枠内に鋭く飛んだがGKの好セーブに阻まれた。

同12分にはカウンターからFWユスフに独走されシュートを打たれたが、GK鈴木彩艶が体を投げ出してセーブ。オフサイド判定だったが、鈴木が一戦ごとに調子を上げていることを示した。

そして均衡が破れたのは前半31分。インドネシア戦に続き右サイドバックで先発したDF毎熊晟矢が、30メートル近い距離から強烈なミドルシュート。これがゴール左ポストをたたき、こぼれたところをMF堂安律が左足で押し込んだ。幸先良く1-0とした。

だが先制した直後、日本にアクシデントが起きた。MF旗手怜央が足を痛め、ピッチに座り込んだ。前半35分で途中交代となり、1分後に遅れてMF守田英正がピッチに入った。

アディショナルタイムにバーレーンが日本陣内に攻め込んだが、中央でボールを受けたFWユスフのシュートはミートせず、日本リードで前半を終えた。毎熊、板倉滉、冨安健洋、中山雄太のDFラインに加え、最後尾の鈴木を含めた守備陣の安定感が光った。

後半も日本はバーレーン陣内に押し込み、優勢に試合を展開。4分にはMF久保建英が相手選手のボールをカットし、中央の上田へパスを流し、そのまま左前方のスペースへ進入。そこへリターンのボールが入り、左足でゴールを決めた。すぐさま主審はオフサイドと判定。しかしOFR(オンフィールド・レビュー)で、リターンのボールは上田でなく、バーレーン選手からだったことが確認され、久保のゴールが認められた。日本は2-0とリードを広げた。

さらに後半、右サイドでパスを受けた上田が中央へ折り返し。守田を経由し、左からゴール前へ入った中村敬斗がゴールを決めるが、これは上田がオフサイドと判定され、ノーゴールとなった。

後半19分、日本は思わぬ失点を喫した。左CKから相手選手にヘディングシュートを打たれる。GK鈴木がパンチング。高く浮いたボールをゴールライン際で鈴木がキャッチしようとしたところで、クリアしようとした上田と交錯。上田の頭にボールが当たる形でインゴールへ。まさかの上田のオウンゴールが記録され、1点差となった。

危機感を覚えた森保監督は後半22分、中村に代えて三笘、久保に代えて南野拓実を投入。ゴールを目指して攻勢をかける中、エースの上田が面目躍如のゴールを奪った。後半27分、右サイドの毎熊からパスを受けると、前へ向いてドリブル突破。そのままゴール右から持ち込み右足でシュートを決めた。今大会通算4点目。3-1と再びリードを2点に広げた。

後半35分に堂安に代えてDF町田浩樹、上田に代えてFW浅野拓磨をピッチに送り出した。勝てば中2日、イランと2月3日の準々決勝で顔を合わせる。選手を代えながら、勝利とともに次を見据えた戦いを実践した。

終盤には三笘の持ち込みから浅野が好機を迎えたが、パスが少しずれてゴールとはならなかった。終盤は町田を入れての5バックでパワープレーに対抗。森保監督の采配も冴え、12分30秒を超える長いアディショナルタイムも乗り切り、危なげなく試合を終えた。

充実した戦力を備えて3大会ぶりの優勝に向け、アジアの盟主・日本がいよいよ本気モードに入った。