W杯アジア3次予選、北朝鮮-日本の観戦のため、日本サッカー協会の公式ツアーに参加するサポーターら約60人が14日午前、羽田空港から平壌へ向け出発した。サポーターからは「未知の国なので少し緊張している」との声も出た。

 羽田空港の国際線ターミナルには午前6時ごろから参加者が続々と集まった。平壌には携帯電話を持ち込めないため、経由地の北京で旅行会社に電話を預ける際に使う紙袋などを係員から渡されていた。

 夫婦で参加する横浜市港北区の会社員相川貴文さん(32)は、代表カラーの青いTシャツ姿。緊張気味の表情で「めったにない機会なので文化も見てみたい」と話した。

 サッカー協会は今回、日の丸や横断幕、鳴り物の使用を禁止しているが、仙台市青葉区の大学4年宝田紘一さん(23)は「声と魂で向こうの応援に負けないようにしたい」と力を込めた。

 政府は北朝鮮のミサイル発射などを受け、経済制裁の一環として国民に渡航自粛を要請しているが、今回は公式ツアーに限り特例で容認。国交がない中、邦人の安全確保や事故発生時の北朝鮮当局との折衝のため、12日から外務省職員らを派遣している。

 試合は15日夕にキックオフ。平壌で観戦する日本人サポーターは約150人の見込み。