<ロンドン五輪アジア最終予選:日本2-1韓国>◇第2戦◇3日◇中国・済南オリンピック・スポーツセンター

 初戦タイ戦で先制ゴールを奪ったなでしこジャパンMF川澄奈穂美(25=INAC)が、この日も華麗&泥臭いプレーで魅了した。1-1の前半ロスタイム、左サイドから切れ込んだMF沢のパスにタイミングを合わすことができなかったが、そこから粘った。倒れ込みながら相手DFを3人引きつけ、MF大野へラストパス。貴重な決勝点をアシストした。前半10分には相手DFを引き付けながら、FW安藤への鮮やかなヒールパスも披露した。

 中学、高校の6年間、練習を1日も休まなかった。大和シルフィードの佐藤浩二監督は「1度、具合が悪いと言っていたが、グラウンド脇で嘔吐(おうと)しながらやっていた。頑張り屋だった」と振り返る。この日も劣勢の中で最後まで走り抜けた。笑顔が映える美しさの裏には、たくましい根性がある。

 試合前には同じ宿舎のINACの同僚、韓国FWチ・ソヨンに「右サイドバックで出る」と告げた。堪能な韓国語をまじえながら“陽動作戦”も行ったが、しっかりと本職で相手を脅かした。初戦のヒロインは一転、韓国戦ではサポート役として献身。「疲れは全然大丈夫。自分もDFラインの裏に飛び出したい」。ヒロインはまたしても勝利のスマイルを浮かべていた。