ヤングなでしこの小柄なMF加藤千佳(18=浦和)が、3位決定戦の切り札になる。U-20(20歳以下)女子W杯の3位決定戦ナイジェリア戦(8日、東京・国立競技場)に向けて、日本は6日、埼玉県内で練習を行った。紅白戦では今大会出場機会のない152センチの加藤が主力組の左MFの位置に入った。身体能力の高い相手に、精度の高いクロスで勝利を目指す。

 加藤はシュート練習後、レギュラー組の円陣に加わった。吉田監督の指示を受けると、そのまま攻撃的MFの左サイドへ。ボールを受けると一気に前線へ駆け上がり、ゴール前へクロスを上げた。「体力はあり余っている。準備はできている」。今大会初めての主力組にも気後れはなかった。

 身体能力が高く、スピードがあるナイジェリアに、正面からの攻防は分が悪い。152センチの小柄な加藤がサイドから切り崩し、さらにDFライン裏へ飛び出せば崩せる可能性はある。所属する浦和でプレーするMF柴田がトップ下、猶本もボランチにいる。連係面でも問題はない。「速いスピードに対応するために、ボールに集中して相手のプレーを先に読みたい」と、加藤はすでにゲームプランを思い描いていた。

 大会直前の練習でDF村松が右膝前十字靱帯(じんたい)損傷の大けがを負ったため、急きょ代役招集された。ここまで出番がなかったが、同ポジションの横山がドイツ戦で左膝を打撲して別メニュー調整、左股関節を痛めている仲田も、この日から全体練習に加わったばかり。準決勝ドイツ戦の敗戦後、吉田監督は「今まで出ていない選手を使いたい気持ちもある」と話した。加藤の先発出場が現実味を帯びた。

 U-17女子W杯では全6試合に出場し、PK戦で敗れた決勝の韓国戦ではゴールを決めた実績がある。初出場が国立での3位決定戦という大舞台にも「緊張はすると思う。でも私は緊張感が好きなタイプ。ファーストタッチがうまくできれば、もう大丈夫」という。ヤングなでしこの3位確保へ、「ラッキーガールになれたらいいな」と笑顔で話した。【保坂恭子】