<フットサルW杯:日本4-2リビア>◇7日◇バンコク・インドアスタジアム・フアマーク◇1次リーグC組

 ミゲルジャパンが、新たな歴史をつくった。フットサル日本代表はリビアを下し、初の決勝トーナメント(T)進出を決めた。就任3年目のミゲル・ロドリゴ監督(42)は、感性豊かな指導法で日本を世界の舞台で通用するチームに鍛え上げた。11日の決勝T1回戦の相手はA組1位を確定したウクライナか、B組1位(7日時点でスペイン)のどちらかに絞られた。未知の世界8強入りへ、強い気持ちを前面に出した。

 リビア戦を終え、報道陣の前に立ったロドリゴ監督が、おなじみとなった満面の笑みを浮かべていた。日本の決勝T進出決定に「満足している。幸せです」と素直な心境を語った。

 試合中はスタンドの歓声に負けじと声を出し続け、専属の小森通訳兼コーチの声がかれた。前半を1-1で終えると、ハーフタイムに独特な言い回しで選手をリラックスさせた。「鳥のように自由になろう。リラックスして、笑顔で入ろう」。

 すると、後半開始5分に星の勝ち越しゴールが生まれ、そのまま試合の主導権を握った。大会直前の国内合宿で、セパタクローや鬼ごっこの要素を含んだ練習を取り入れるなど、ユニークな発想で選手の信頼も厚い。木暮とともに主将の役割を担うFP小宮山も「監督と一緒に、最高のW杯にしようと思っていた」と話した。

 次戦の決勝T1回戦の相手は、1次リーグ最終日の9日まで決まらないケースがある。大会規定により、C組3位日本が進出を決めたケースは10通りあり、そのうち9通りまでが、決勝T1回戦の相手はA組1位のウクライナとなる。残る1通りが、B組1位との対戦となっており、確率的にはウクライナと対戦する可能性が圧倒的に高い。

 ウクライナとは、先月27日の親善試合でカズのゴールなどで3-1で勝っている。ロドリゴ監督は「スペインなら奇跡が必要だが、ウクライナなら可能性はあると思う。どこが相手でも自分たちがやれることをやるだけ」と話した。高い結束力を武器に、まずは準々決勝進出を狙う。【タイ=由本裕貴】