アジア・チャンピオンズリーグの決勝に進んだ浦和レッズは今日25日、ホームでアルヒラルとの第2戦を迎える。準決勝から抜てきされて活躍を続けるMF長沢和輝(25)は、18日の第1戦に続き2列目での先発が濃厚。11月に初選出された日本代表でも評価された球際の強さを生かして攻守に奔走し、10年ぶりのアジア王者をたぐり寄せる。

 

 長沢はいつも通り落ち着いた表情だった。クラブの練習場で約1時間の非公開練習を終えると、大勢の報道陣に囲まれた。少し笑みも浮かべながら「アジアの頂点を取れる機会はなかなかない。楽しみです」と力みのない口調で語った。

 日本代表のハリルホジッチ監督も評価した「デュエル(戦い)」の強さをふたたび見せる。身長は173センチと上背はないが、「重心が低いことが武器」と長所ととらえる。フィジカルの強さでチームトップクラスのDF槙野と比べても劣らないがっちりとした太ももが、踏ん張りをきかせる。

 専大卒業後にプレーしたケルン(ドイツ)で培った。「ドイツに来たら一番小さい選手になった。『同好会でやってたのか?』とか言われた」と当初は大きなドイツ選手に見下されたが、日々プレーするうちに当たり負けしない下腿(かたい)ができあがった。日本に比べてピッチが緩くてぬかるみやすく、ふんばるのに力が必要だったことも鍛錬になった。

 今季加入してから約8カ月もの間ほぼ出場がなかったが、数少ない機会でアピールし一気に日本代表まで上りつめた。「チームとして歴史に名を刻みたい」。控えに甘んじていた状況を打破した充実のシーズンを戦い抜き、アジア最高のタイトルで締めくくる。【岡崎悠利】