日本が2-1でドイツを逆転で破り、歴史的白星で最高のスタートを切った。1-1で迎えた後半38分、途中出場のFW浅野拓磨(28=ボーフム)が守護神ノイアーの頭上を射抜く、強烈な勝ち越し弾。日本(FIFAランキング24位)が優勝4度のドイツ(同11位)からW杯初対戦で金星を挙げた。過去最高のベスト8へ、浅野が広島時代の恩師、森保一監督(54)へ最高の1発を贈った。日本は27日にコスタリカと第2戦を行う。
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三重・菰野(こもの)町生まれの浅野は、7人きょうだいの三男として育った。浅野は大家族を養ってくれた両親、特に母都姉子(としこ)さん(57)への感謝の思いは強いという。
次男晃平さん(29)によると、三重の実家では週に何度も浅野の声が響いているという。それはドイツから浅野がテレビ電話を母にかけ、常に健康面を気に懸けているからだ。「拓磨は家族が大好きなんです」と晃平さん。父智之さん(57)を含め、よく欧州に招待しているという。
きょうだいの面倒も率先して見てきた。六男快斗さん(20)も、浅野と同じ四日市中央工時代に全国高校選手権に出場。卒業後の現在はドイツに渡り、働きながらアマチュア選手としてサッカーをしている。その弟の背中も押した。
晃平さんは「拓磨は長男的な役割。下からの支持は圧倒的だった」と、浅野の存在感を証言する。家族のため、日本のために、ジャガーが男になった。