5度の欧州チャンピオンズリーグ優勝など輝かしい歴史を持つバルセロナが「性差別クラブ」との批判を受けている。きっかけは米国で行われている「インターナショナル・チャンピオンズ・カップ」へ向かう機内でのこと。

 この遠征にはバルセロナの女子チームも同行しており、クラブは公式SNSに男女選手が仲良く肩を組んだ写真などを掲載した。しかしこの後が問題だった。選手たちはそれぞれ自分たちのSNSにも機内での写真を投稿。これにより男子はビジネスクラス、女子はエコノミークラスで移動していることが分かってしまったのだ。

 するとインターネットを中心に「差別だ」とバルセロナへの激しいバッシングが巻き起こり、スペインメディアでも同様の論調の記事が掲載された。仏レキップ紙(電子版)や英インディペンデント紙(電子版)など多くの欧州メディアもこの問題を取り上げた。

 ただバルセロナ女子チームのスペイン代表FWアレクシア・プテラスは「女子チームの遠征参加は直前になって決まったので、全員分のビジネスクラスの席を確保する時間がなかった」とクラブを擁護。さらにバルセロナ側も「エコノミーでも1人につき2~3席の座席を与えていた」と声明を発表。また今後の米国内でのフライトの際には女子チームにも男子同様ファーストクラスの座席が提供されるという。

 なぜ女子チームだけエコノミークラスだったのか、本当のところは分からないが、プテラスが地元メディアのムンド・デポルティボ紙に「バルサは最高のクラブで、男子と同じ施設を使って一緒に練習ができる今回のツアーも素晴らしい。バルサが女子サッカーにも力を入れている証拠だと思う」と語っており、男女チーム間でのわだかまりはなさそうだ。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)