デュッセルドルフFW宇佐美貴史(26)が今季8点目を挙げ、2部優勝に貢献した。優勝を懸けて直接対決となった最終節のニュルンベルク戦は3-2の逆転勝ち。宇佐美は0-2の前半37分に左クロスを中央から頭で決め、反撃ののろしを上げた。勝つしか優勝はなかったチームは後半ロスタイムに勝ち越し点を挙げ、劇的な幕切れ飾った。

 宇佐美はトップ下と右サイドをこなしてフル出場。今季8点目のヘディングシュートは「あの瞬間、何か感じた」という。速い弾道の左クロスには宇佐美を含めて3人が前線に位置取っていた。

 「あそこ普段は入っていかず、ヘニングスとラマンが2人入っていた中で枚数(人数)もいたし、僕はセカンドボール(こぼれ球)にいようと思っていたんですけど、何か(ボールが)来る気がして(前に)行ったら、ちょうどピンポイントで来た」

 4試合ぶりの得点。珍しいヘディングシュートでのゴールは絶妙の位置取りから生まれた。「点が取れる時はそんなもんかなと思う。何となく来そうだなと思ってふわっと入ったら、いい感じだった。後ろから入っていった分、マークもいなかったし、ヘディングもなかなか良いコースに飛んでくれた」。

 16年夏にG大阪からアウクスブルクへ移籍。だが、なかなか出場機会が得られず今季途中からデュッセルドルフへ期限付き移籍した。それでも、前半戦は思うような出番はなく2月のレーゲンスブルク戦で移籍後初のフル出場。徐々に出場時間を伸ばしていき、4試合連続得点も記録した。

 「自信も、試合勘とかもそう。最初の方は、やっぱり(試合に)出てキツかったけど、途中くらいから楽しんでやれるようになった。やっぱりボールに触っている時は自分的にもいいプレーができている手応えはあるし、どれだけ自分がボールに絡んでいけるか。自分のイメージ、アイデアをチームに落とし込んでいけるかというところのスタイルの確立をもっとしていかないとと思う」

 守備での貢献度や後半での得点も増え、この日はヘディングでのゴールでチームの優勝を後押し。「こういう普段出ないようなゴールが出て、チームに勢いがついたかなと思う」。自身初のW杯メンバー選出へ、宇佐美は確実に成長を遂げた。