デュッセルドルフFW宇佐美貴史(26)が2試合連続アシストで好調をアピールした。1点リードの後半11分、左MFで先発した宇佐美は逆サイドへパス。味方が受け、ペナルティーエリア外からミドルシュートを決めた。1点を返されたが、首位ドルトムントの開幕無敗記録を15で止め、チームは初の連勝。宇佐美自身も前節に続く2戦連続のアシストとなった。

開幕から下位に低迷していたデュッセルドルフだが、ドルトムントに勝利、バイエルン・ミュンヘンに3-3で引き分けるなど徐々に戦い方が浸透してきた。この日も守備を整備し、カウンターで勝負。「走り勝てるだろうっていうのは(あった)。バイエルンの時を見ても、それで(ルケバキオは)3発ぐらい決めているから。今日ぐらい前で収めてくれれば後ろも押し返せる。ドルトムントもすごく疲労している感じはしたので『点を取られる恐怖心でいっぱいいっぱいだった』っていうことはなかった」とうなずいた。

宇佐美自身、成長も感じている。ドイツに渡ってから、守備的なチームでの自分自身の生かし方は課題だった。「(左MFで出場した時)右サイドバックの相手の上がりとか、ボール回された状態でもしっかり穴を作らずにやりながら前に出ていくのは、自分が一番好まないスタイルだったと思う」。一番の持ち味であるドリブルで打破することより、まずは守備を求められる。その中でも「今チームが志向しているサッカーでしっかり、まずは相手にスキを作らない、左サイドから崩されないというところを意識している」という。

向き合っていくことで、課題を整理することができた。「今日1本やられたけど、粘り強く対応していく中で、チームの1選手というか、チームのために何ができるかということを、すごく考えている。それが成長と言えるのか…そうじゃないかもしれないけど、個人的にはこういうサッカーもサッカー。勝てればやっぱり楽しいしね」。宇佐美にとってはただの1勝ではなく、新たな可能性が広がった大きな1勝になった。