エスパニョールMF中村俊輔(31)が、スペインリーグ開幕(29、30日)に向け、生活面で万全の態勢を整えた。ビザの手続きなどのため、チームのオフなどを利用して一時帰国していたが18日、スペインへ再出発。これまでは単身赴任の形だったが、今回の渡航では夫人と子供2人も同行した。

 「今回はプライベートなので、コメントできなくて申し訳ないです」と断りつつも、移籍以来、張り詰めていた表情は柔和になっていた。成田空港出発ロビー。子供用のスーツケースを引っ張る子供たちの姿に、中村は夫人と顔を見合わせてほほ笑んだ。今回家族を伴うことで、スペインでも癒やしと心の支えを得る。

 コンディションづくりにもプラスになる。スペインは日本と違い、夕食を午後9時以降に取る習慣で、それまでは飲食店はオープンすらしない。自然と就寝直前に摂食することになる。しかもカロリーや脂分が多い食事が主流で、日本人のスポーツ選手にとっては、体調や体重の管理が非常に難しい環境だ。

 だが今後は夫人が食事を準備する。中村の食へのこだわりを知り尽くすパートナーの尽力で、今まで同様に魚や海藻中心のヘルシーなメニューを、夕方早い時間に食べることができる。バルセロナ市内に確保した住居へも近日中に入れる予定。約1カ月続いたホテル暮らしもピリオドだ。世界最高峰リーグへの挑戦に、家族のサポートほど心強いものはない。

 [2009年8月19日9時0分

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