<セリエA:ジェノア1-2ACミラン>◇7日◇ジェノバ
ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)が、7日のジェノア戦(アウェー)でセリエA初得点を挙げた。後半11分に倒れ込みながら左足で決めた。ミラン加入後、1月のイタリア杯スペツィア戦で1点決めていたがリーグでは出場12試合目での誰もが待ち望んだ初得点。チームは今季初のリーグ3連勝を飾った。
誰もが喜んでいた。中心で本田も珍しく派手に喜んだ。待望のセリエA初得点。1つのゴールで、日本とイタリア、そして名門ミランの面々も笑顔にした。
後半11分。中盤からのスルーパスを呼び込んだ。イタリアに渡り、迫力を増してきたダッシュで追い付くとワンタッチでDFをかわした。前に出てきたGKの鼻先でシュート。接触して倒れ込んでも、鋭い視線でボールを追った。ミラン加入から約3カ月。リーグは出場12試合目。初得点までに要した長い時間を象徴するようにコロコロと、ゆっくりとゴールが決まった。
興奮して走る背番号10めがけ、仲間が駆け寄ってきた。歓喜の輪で抱き締めたDFメクセスは「本田がゴールを決め、とてもうれしい」と言い、MFカカも「僕らはみんな彼のゴールがうれしいんだ」。まるで自分のことのように喜んでくれた。本田は、「私もうれしい」とピッチ脇で拍手していたセードルフ監督のもとに走り、熱い抱擁を交わした。そして耳元で何か伝えた。変わらぬ信頼を口にし続けてくれた指揮官へ、結果で応えた。
チームは今季初のリーグ3連勝。10位だが来季欧州リーグ出場圏の5位まで勝ち点差を「5」に詰めた。それでも主役は会場でひと言も発しなかった。
口に出して説明しなくとも、得点直後のシーンが立ち位置を示していた。慣れない右サイドで試行錯誤し、メディアから酷評されてもぶれなかった。献身的なプレーは、徐々に仲間の信頼を集めた。持ち前のコミュニケーション術で、積極的にチームを立て直そうともしている。だからこそ、本田のゴールをみんなが喜んでくれた。
ジェノア戦を控えた5日、ガゼッタ・デロ・スポルト紙に初めてインタビューが掲載された。「近いうちにセリエAでの初ゴールを挙げることができると感じている」と予告したばかり。いかにも本田らしい“有言実行弾”になった。
舞台となったスタジアムは94年12月、当時ジェノアのFWカズ(三浦知良)が初ゴールを決めたジェノバのルイジ・フェラリス。同じ舞台で生まれた同じ1号弾。指揮官は「これでゴールを阻んでた鍵が外れたことを祈る」と言った。詰まっていた赤いミラン色の“ケチャップ”をドバッと出す時だ。ようやく、名門ミランを本田色に染め上げていく作業が本格化した。【8日=波平千種通信員】
◆ケチャップ!?
本田は12年9月のイラク戦後「どこかの名ストライカーが言っていたけどゴールはケチャップだと。出ない時は出ないけど、出る時はドバドバ出る」と発言。元オランダ代表ファンニステルロイの言葉の引用とみられる。

