今回のW杯は、出場国が32から48に増えた。優勝候補を追う楽しみはもちろんだが、フレッシュな国が登場してくるのも今大会ならではの面白さだ。その中で注目したい初出場国の一つが、キュラソーである。

グループEではドイツ、コートジボワール、エクアドルと同組に入った。初戦は15日に行われる優勝経験国ドイツ戦。この組み合わせだけでも「キュラソーってどんな国?」と気になってくる。

キュラソーは、カリブ海南部に浮かぶ島。場所は南米ベネズエラのすぐ北あたり。オランダ王国に属する自治の島でもある。首都ウィレムスタットは、カラフルな建物が並ぶ港町として知られ、旧市街は世界遺産にも登録されている。

日本の感覚でいうと、島の大きさはかなり小さい。面積は444平方キロで、鹿児島県の種子島とほぼ同じくらい。人口は約15万人で、東京都でいうと東村山市とほぼ同じ規模だ。つまり、ひとつの島、ひとつの市ほどの国が、世界最高峰のサッカー大会に出てきたことになる。そう考えると、今回の初出場がどれほど大きな出来事か、少し身近に感じられる。

スポーツ界でまったく無名というわけではない。日本の野球ファンには、ヤクルトでシーズン60本塁打の日本記録を打ち立てたバレンティンの出身地としておなじみ。米大リーグで通算434本塁打を放ち、楽天にも所属していたアンドリュー・ジョーンズもキュラソー生まれだ。野球では以前から、世界的な選手を送り出してきた“人材の島”でもある。

国土は小さい。人口も多くない。それでも、世界のスポーツシーンに存在感を示してきた。強豪国の優勝争いが注目されがちだが、キュラソーのような国の物語もまた大会を盛り上げる。初出場の小さな島国は、今大会の新しい主役候補の一つだ。