【ヒューストン(米国)=日刊スポーツ取材班】決勝トーナメント1回戦で敗れた日本(FIFAランキング18位)の後任監督人事は、森保一監督(57)の続投かU-21日本代表を率いる大岩剛監督(54)の昇格か「二択」で比較検討に入ることが30日、分かった。1次リーグを無敗突破した時点で日本サッカー協会が森保監督に継続要請する動きが出た一方、結果を受けて勇退した場合、本紙取材で28日までに判明していた通り2028年ロサンゼルス五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表の大岩剛監督(54)に昇格案を打診する。
関係者によると、目指していた初の8強や優勝には届かず、参加48チームへの拡大もあって前回22年カタール大会までの16強を下回るラウンド32敗退となった日本だが、協会や複数の技術委員は森保監督の2期8年を評価。親善試合ではブラジルやイングランドに史上初めて勝つなど「史上最強」に導いた実績を基に、水面下で続投を模索していた。
森保監督は試合後の会見で「個人的には何もまだ決まっていない。誰が監督になるか分からないけど、大きな大会は(27年2月の)アジア杯がある。私の去就に関しては、まだ何も決まっていない」と白紙を明言したが、協会はW杯決勝翌日の7月21日までに強化部会や技術委員会を臨時で開いて検証し、宮本恒靖会長ら最高幹部が協議。最終的に決断する流れとなる。
一方で、森保監督を代表の統括強化責任者として協会フロント入りを描く幹部もいる。また、欧州で日本人指導者の道を開きたい本人の夢もあるため、後任人事も想定。2年後のロス五輪を目指すU-21代表の大岩監督に、森保監督が21年東京五輪を兼任で率いて世代交代に成功した例を踏襲させる案も、併せ持っていた。
大岩氏は鹿島時代のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制覇。24年パリ五輪を24歳以上のオーバーエージ枠なしで戦い、前評判を覆す8強に入った。こちらも日本初のオリンピック年代監督続投で、次の30年スペイン・ポルトガル・モロッコ共催大会に向けて有望株を知り尽くすだけに、適切に世代交代を進められる。
昇格に至り、兼任で活動が重なる場合は羽田憲司コーチがアンダー世代を指導する方向だ。A代表は、進化自体は成功と言える現体制を継承するためにも、ヘッド格の名波浩氏ら複数コーチを残すプランがある。
22年W杯カタール大会Vアルゼンチンのスカロニ監督や24年の欧州選手権(EURO)王者スペインのデラフエンテ監督が世代別代表から昇格した例も、世界のトレンドとなっており、推す声も上がりそうだ。
一時は外国人も候補に挙がったが、日本人路線を継続する方向。元J1横浜監督で、プレミアリーグのトットナムで25年の欧州リーグを制覇したアンジェ・ポステコグルー氏に接触。宮本会長、Jリーグ野々村芳和チェアマンとロジャー・シュミット氏が3者で話す場も設けたが、日本人監督の続投か昇格か「二択」に傾いていた。
森保監督はコーチで18年ロシア大会ベスト16を経験した後の7月に就任。22年カタール大会で連続16強に導き、初の2大会連続で指揮を任された北中米大会は主将の遠藤、エース三笘、森保ジャパン最多26得点の南野、大会中には久保も負傷で欠きながら、海外開催のW杯では初の無敗で1次リーグを通過した。
ただ、壁は高かった。日本として3大会連続5度目の決勝トーナメント1回戦で、初勝利ならず。C組1位の王国ブラジルに逆転負けした。
前半29分にMF佐野海舟(25=マインツ)が先制点を奪ったが、後半10分にMFカゼミロ(マンチェスター・ユナイテッド)のヘッドで同点とされ、後半追加タイム5分に、残り1分で、FWマルチネリ(アーセナル)の決勝点を浴びて、新しい景色=8強、最高の景色=優勝には届かなかった。


