[ 2014年2月23日9時51分

 紙面から ]女子パラレル回転1回戦で敗れた竹内(撮影・PNP)<ソチ五輪:スノーボード>◇22日◇女子パラレル回転

 竹内智香(30=広島ガス)は決勝トーナメント1回戦で敗退し、パラレル大回転の銀に続く2個目のメダル獲得はならなかった。昨季からW杯6戦連続で予選落ちした種目で、13位で決勝進出。決勝T1回戦の1回目でツォク(スイス)に0秒20のリードを許すと、2回目の途中でバランスを崩し、旗門不通過で失格となった。

 雲1つない抜けるような青空の下、強い日差しを浴びた竹内の表情は曇っていた。「ベスト16は妥当と言えば妥当。運がよければ、もっと上にいけたかな」。結果に納得しているような、悔しいような複雑な気持ちだった。

 W杯で6戦連続で予選落ちが続いたパラレル回転。上位16人が突破する予選は13位で通過した。迎えた決勝トーナメント1回戦の相手は、以前スイスチームでともに練習した「妹のような存在」というツォク(スイス)だった。0秒20差の2回目。3旗門目でバランスを崩して差を広げられた。「どこかで攻めなきゃ」。残り7旗門で一気にスイッチを入れた。

 だが、気温が高く、軟らかく荒れた斜面に板が引っかかる。バランスを崩し、追うことをあきらめた。「アイスバーンを望んでいたけど、ならなかった。暖かくてコースの状況が変わっていて、対応しきれなかった」と振り返った。

 大回転と回転、練習量は半々だ。「大回転のフィーリングがずばぬけてよかった。回転も練習はできていた」と、回転が苦手という意識はない。W杯の大回転での活躍が脚光を浴びた時期には「回転で納得いく滑りが出来ていないことが悔しい」と漏らしたことがあった。攻める滑りを目指して、ビンディング(ボードにブーツを取り付ける金具)にまでこだわった。大回転のビンディングが決まってからもテストを繰り返し、ようやく決まったのは昨年10月と、やや遅すぎた。

 大回転13位だった4年前のバンクーバー五輪は「あの場所を開催に選んだことに不満でいっぱいだった」と軟らかい斜面でのレースに不満があった。だが、この日は「今季、回転はずっと調子がのってこなかったので、1本1本勝ち上がっていこうと思っていた。練習のフィーリングで、ベスト4は行けるかなと思っていたから、少しもったいないかな」と潔かった。

 4年後の平昌五輪は目指すのか、と聞かれると「環境が整えばもう1回やりたいが、できないならやめる。その場合は次の世代を育てる環境をつくろうと思う」と言った。大回転の銀メダルのうれしさと、回転の悔しさの中間で、4度目の五輪を終えた。【保坂恭子】