ニューイヤー駅伝が来年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間(100キロ)で行われる。マラソンの石川末広(37)1万メートルの設楽悠太(25)のリオ五輪代表2人を擁するホンダは、入部1~2年目の選手も成長が見込めるとあって初の頂点を狙える位置にいる。

 エースの設楽は最長区間の4区(22キロ)で2年連続区間賞を獲得している。2年とも区間記録を更新しており、駅伝では絶対的な強さを持つ。前回は5位でタスキを受け、上位チームのエースたちを抜き去りトップで5区の服部翔大(25)にタスキをつないだ。ゴールではチームは4位に後退してしまったが、設楽は「今回は区間2位に1分差をつける」と意気込む。

 石川は男子マラソンでは五輪最年長記録となる36歳でリオに出場した。9月に37歳となったが「オリンピックで燃え尽きることはなかった」と、来年のロンドン世界陸上で入賞を目指す。大沢陽祐監督も「大ベテランにもう一仕事してもらわないと」と期待する。ニューイヤー駅伝では後半の6区(12.5キロ)か7区(15.5キロ)で安定した走りを見せてくれそうだ。

 前回までのホンダは3区(13.6キロ)までにトップから差をつけられていたが、新戦力の台頭で今回は、小差で設楽にタスキをつなぐことができそうだ。

 2年目の田口雅也(24=東洋大出)とルーキーの山中秀仁(22=日体大出)はともに、学生時代に箱根駅伝1区で区間賞を取ったランナー。特に山中が好調で、東日本予選では最長区間の2区を走り区間2位と、有力チームのエースと互角に渡り合った。田口の1区(12.3キロ)起用が濃厚で、上りにも強い山中は5区(15.8キロ)の可能性もあるが、石川や箱根駅伝山登りの5区で活躍した服部翔大(25)が5区に入れば、山中が3区に回ることができる。

 設楽は「山中は今年のルーキーの中で一番強い。トップでタスキを持ってきてくれるかもしれない」と後輩たちに期待する。

 前回も優勝を目指していたホンダだが、大沢監督は1年前よりも手応えを感じている。その一番の理由に「田口と山中が好調なこと」を挙げる。さらに「石川が今はチームの3番目くらい」とベテランが好調なこともプラス要素。もちろんエースの設楽が4区で過去2年と同様の走りをすることを前提としての話だ。

 ベテラン、エース、新戦力と、ホンダは選手構成のバランスが抜群に良いチームになってきた。若手が快走して3区終了時点で先頭集団にいれば頂点に近づく。