18歳のホープが10秒0台が5人そろう、大会史上まれにみる激戦を制した。サニブラウン・ハキーム(東京陸協)が世界選手権(8月、ロンドン)男子100メートル代表に内定した。追い風0・6メートルの条件下で10秒05の大会タイ記録で初優勝。2日連続で自己記録を更新し、日本人初だけでなく、世界最年少9秒台を視界にとらえた。

 サニブラウン時代の幕開けを予感させる快走だった。多田に先行されるも、中盤で大きなストライドを生かし、トップスピードに入る。上半身が強くなり、フォームが乱れなくなったから雨が降り注ぐ悪条件でも関係ない。前日23日に出した日本歴代6位の自己記録を100分の1秒更新する10秒05。大会前は5番手の位置づけから、2着に0秒11差をつけるぶっちぎりVに「注目されない中で速く走ったらおもしろいと思っていた」と笑った。

 これで初の世界選手権男子100メートル代表に内定した。「ここは通過点と考えていた。世界選手権でいい結果を残せるように練習を積みたい」と風格さえ漂わせた。ボルト(ジャマイカ)やガトリン(米国)らとの対戦も心待ちにする。「背中を追い掛けるのではなく、横で並んで走れたらいい」と自信がみなぎった。