【4区】伊勢崎市役所→太田市役所(22・4キロ=17年大会までは22・0キロ)

区間記録保持者:設楽悠太(ホンダ)

1時間02分45秒(16年区間賞=旧コース)

現在26歳。ホンダ在籍

 

 ニューイヤー駅伝の最長区間で、各チームのエースが集う。現行区間になった2009年以降の全大会で、この区間終了時にトップから19秒以内のチームが優勝している。

 前回までの旧コースは15キロまで上りがなく、なおかつ19キロの高林交差点までは強い追い風を受けるので、最長区間でも速いスピードで展開された。そして高林交差点を左折してからの3キロ強は、向かい風が選手を苦しめる。その部分だけで10秒、20秒の差が生じることもある。

 設楽の特徴は、最初からハイペースで飛ばす走りだ。4区の区間記録を出した16年大会でも、1万メートルの日本記録を上回るペースで10キロを通過した。「ゴールまで計算して走るのではなく、自分のペースで押し切りたいと思っています」とレースに挑む心構えを話す。

 対照的に前半を少し抑えて入り、後半のペースダウンを小さくする走り方の選手もいる。前区間記録保持者の今井正人(33=トヨタ自動車九州)がそうだったが、後半で前との差をどんどん詰めてくる走りも迫力があった。

 今井の前の区間記録保持者だった佐藤悠基(31=日清食品グループ)は、トラックの五輪代表だったスピードを生かし、前半からハイスピードで突っ走った。逆に五輪マラソン代表だった中本健太郎(35=安川電機)や山本亮(33=SGホールディングス)は、今井と同じように後半で粘る走り方をしてマラソンにつなげていた。

 今回から序盤のコースが5キロほど変更され、小さな起伏が続く。序盤でリズムに乗るのが難しくなるが「そこまで影響は出ないのではないか」という関係者もおる。

 設楽は4区に対する印象を、次のように話す。「スピードも必要ですが、スタミナもないと走れないコースです。そこに対して強い気持ちを持たないと走れません。その部分だけは、誰にも負けない自信があります。攻めの気持ちは忘れずに行きたい」。

 新コースはまだ下見していない段階だったが「(対策は)特にありません。駅伝に対して準備してきたものをぶつけるだけです」と、変更を必要以上に気にしないスタンスだ。

 選手のタイプや調子によって、新コースの影響の出方が違ってくる可能性もある。実際の違いがどの程度出るのか、そこも今大会の注目点になる。