新春の風物詩、東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝、来年1月2、3日)が5日後に迫ってきた。今回は4連覇のかかる青学大、初優勝を目指す東海大、20年ぶりの優勝を狙う神奈川大の3強を軸に混戦が予想される。日刊スポーツでは「箱根駅伝 3強の秘密兵器」と題して、3強の大学の切り札を紹介する。第1回は青学大の小野田勇次(3年)。1年から6区で首位を守って連覇に貢献した「山下りのスペシャリスト」だ。

 3連覇中の青学大には復路に切り札が控える。3年の小野田勇次。6区「山下りのスペシャリスト」。1年から連覇に貢献してきただけに「往路首位を逃しても1分半の差だったら、僕のところで追いつける」と自信をあふれさせた。

 1年からチャンスを生かした。当初は15年の初優勝に貢献した村井駿(当時4年)のリザーブだった。その村井が肺気胸を患うアクシデントがあり、本番10日前に起用が決まった。3分4秒差の首位でタスキを受けるとさらに1分以上の差をつけた。2年時の前回は33秒差の首位からスタートも、2分以上に差を広げて7区にタスキをつないだ。

 「山下りのスペシャリスト」だが、実は登りも平地も強い。6区はスタートから4キロ、登りが続く。そして残り3キロは山を下りきって平地になる。「差がつくのは、最初の登りと最後の平地。最初は突っ込まずにイーブンペース。最後の3キロはみんな足が動かなくなるが、自分は粘れる」。前回の最後3キロのタイムはトップ。勝利の方程式もできている。原監督からは「下りでも猫背にならないし、バランスがいい。下りの適性が抜群。そろばんをはじける」と、4連覇のキーマンに指名された。【田口潤】