スタートして数百メートルでまさかのアクシデントが起こった。大東大・新井康平(4年)が集団の中で転倒。左足を負傷した。集団から後れ、苦悶の表情を浮かべ、しばらく左足を引きずりながら走った。

何とか集団に追いつき、最後方付近から懸命のレースを展開したが、7キロ付近で遅れ始めた。その後は蛇行しながらも歯を食いしばる。奈良修監督からは「大丈夫か」とマイクで声をかけられると、手を挙げて応じた。「仕方ない。何とかタスキをつないでくれ」。奈良監督からの言葉を胸に、必死に1区ゴールの鶴見中継所に向かった。

15キロ手前で、表情が一段と険しくなる。それでも左足を引きずりながら懸命に前を向いた。残り300メートルでタスキをとって左手で握りしめる。顔をゆがめ、左足を引きずりながらあきらめない。首位東洋大から8分40秒遅れの最下位23位で鶴見中継所に入る。倒れ込んで、涙を浮かべる。沿道からは声援と拍手が巻き起こった。

2区の川澄克弥(3年)は巻き返しに必死だったが、先頭から10分経過し、3区は繰り上げスタートとなってしまった。