シドニーオリンピック(五輪)女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(46)が4日、指導者の第一線を退く恩師・小出義雄氏(79)への感謝を語った。

特任教授を務める母校・大阪学院大の入学式で祝辞を述べ、新設されたグラウンドを視察。その後に取材に応じ、「今の私は小出監督の存在なしには語れない。金メダルも、世界記録(01年ベルリンで2時間19分46秒=当時)も。人生を変えてくれた方です」。

無名だった高橋さんを金メダリストに育てた。小出氏の押しで入ったリクルート。「有森裕子さん、鈴木博美さん、力のあるヒロインばかり。その中で『お前は世界一になるよ』と毎日、365日声をかけてくれたのが大きかった。1人ずつ接し方も変えて、根気強く指導してくれた」と振り返る。

勇退を言葉で聞いたのは1カ月前だが、1年前から決意は感じていたという。「2、3日前に会ったばかり。電話ではいつも話しています。ありがとうございました」と伝えました。

小出氏からも「よく走ってくれたな。夢をかなえてくれてありがとうな」と感謝の言葉をもらったという。

「教わったことはたくさんある。それはノートに書き留めている。人生を変えてきた言葉。それはより多くの人に伝えていきたい」。高橋さんが「小出塾」の伝道師となる。