男女上位2人が20年東京オリンピック(五輪)のマラソン代表に内定する「グランドチャンピオンシップ(MGC)」(15日)の出場全40選手による会見が13日、都内で開かれた。前日本記録保持者の設楽悠太(27=ホンダ)は、スローペースでラスト勝負になる展開が予想される中、序盤からレースをかき回すプランをぶち上げた。

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設楽が早くもぶち上げた。多くの選手は35キロ過ぎや、そこからの上りが勝負どころとみる。その中、設楽は「だったら、前半ハイペースで行っても誰もついてこないのかなと。後半、ペースを上げられないぐらいつっこみたい」と、ライバルたちを“挑発”した。

2位までに入らないとMGCでの五輪代表決定はない。勝負が第一でタイムは関係ない。それでも「僕は記録も順位も両方、こだわっている」。18年東京マラソンでは30キロまで1キロ平均2分台で走り、2時間6分11秒で日本記録を更新した。「それもあり得る」。日本記録奪回とMGCのダブルVもあながち夢ではない。

それだけの自信はある。「(調整は)出来過ぎぐらい。そのぐらいの練習はやってきた」と言う。しかし、すぐに手のひらを返したようにけむに巻く。先行逃げ切りを「大逃げ宣言か」という報道陣の問いに「分からないですね」と口にした。

日本記録を更新された最大のライバル、大迫とはマラソンで初の対決となる。大学は違うが、切磋琢磨しながら鍛えた同学年だ。「スタートラインに立ったら意識はするが、まずは自分の走りをするだけ」。泥臭さとは無縁の異端児が、再び世間を驚かす。【吉松忠弘】