陸上の世界選手権(27日開幕、ドーハ)への出場が追加で認められた男子10種競技の右代啓祐(33=国士舘ク)が25日、出国前に羽田空港で取材に応じた。二転三転の末に大会出場が決まり、「世間を騒がせることになったが、今回を機に注目してもらいたいし、だからこそ結果を出したい」と決意を込めた。

1度は代表決定と発表されたが、大会直前に出場資格がなかったことが判明した。それでも「1日だけ落ち込んだが、次の日からまた練習してきた」と、すぐに気持ち切り替えた。所属先の岡田雅次監督から「俺はあきらめない。航空チケットはキャンセルしないから」と何度も声をかけてもらったことも、モチベーションを保つ一因となった。

結果として欠場者が出たことで出場が認められ、「チャンスをいただいたので生かしたい」。日本記録保持者が、決意新たに世界選手権に臨む。

中東での暑さ対策も万全だ。今回同様にドーハで行われた4月のアジア選手権では、アロマオイルとペパーミントオイルをジェルで混ぜた特製オイルを用意。「体に塗るとスースーして気持ちいい。体感温度が1度ぐらい下がる」という効果もあり、優勝を果たした。同様の暑熱対策で臨む今大会も、「(暑さへの)不安はない。自分の力がどれだけ出るか楽しみ」。試合を待ち切れない様子だった。