第70回記念大会になる男子は、田村(福島2位)が2時間9分50秒で3位に入り、「東北枠」で9年ぶり22度目の都大路出場を決めた。

5区石井楓馬主将(3年)が区間賞を獲得。後続も差を広げ、各県代表校を除く最上位でゴール。東北地区に与えられる1枠を勝ち取った。男子は仙台育英(宮城1位)が2時間7分54秒で5年ぶり10度目、女子は青森山田(青森1位)が1時間11分6秒で3年連続10度目の優勝を決めた。

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95年には全国準優勝にも輝いた田村が、名門復活へのろしをあげた。アンカー岩井駿介(3年=写真は東北題字)が東北代表枠を争った東北(宮城2位)を1分以上引き離してゴール。選手たちはOB佐藤修一監督(42)を胴上げして歓喜に包まれた。就任8年目で初の全国切符を手にした佐藤監督は「9年間悔しい思いをした卒業生の分も走ってくれた」と目頭を熱くした。

県大会は2時間13分20秒で2位。各区間で力を出し切れず、学法石川に8分以上の大差で敗れた。だが、モチベーションは落ちなかった。コースや状況は違うが、各県2位校の最上位は東北の2時間11分20秒。全員が力を出し切れば競り合える自信はあった。1区生田目惇(2年)が東北と3秒差を追う展開でタスキをつなぎ、駅伝デビューの2区富岡晃世(1年)が逆転。3区の37秒差から4区で10秒差まで迫られたが、区間賞獲得の石井主将から再びリードを広げて逃げ切った。石井主将は県大会後に一時体調を崩し、県3区(8・1075キロ)から5区(3キロ)にコンバート。「(4区で)詰められてきたので怖かった。正念場と思った」と力に変えた。オーダー組み替えが奏功した佐藤監督は「石井主将が3キロ区間で離してくれたのが1番のポイントかな」と振り返った。

県大会で温存した富岡も3キロ区間で結果を出した。県大会後、学法石川との力の差を実感した佐藤監督は1年生起用を切り札にして、東北大会にピークを合わせてきた。逆に富岡は「実力が足りなくて県大会で走れなくて悔しかった」と発奮。さらに「(東北に)すぐ追いついたのに2キロ過ぎまで出られなかった。全国ではもっと積極的なレースをしなければ」と経験値を高めた。

全国切符は確保したが、県大会からメンバー7人全員を入れ替えた2位の学法石川に18秒差で敗れた。石井主将は「全国では学石にリベンジして入賞したい」と雪辱を誓った。【佐々木雄高】